シンデレラレボリューション【伏黒恵】

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海を出た後、近くにあった沖縄料理屋さんに寄って夕食を済ませてから私達はホテルまでの道を戻っていた。

しかし、その足取りはお互いにおぼつかない。
真っ直ぐ歩いているように見えなくもないが、どちらかと言えばフラフラしているという表現が的確であった。


...というのも、夕食を済ませた沖縄料理屋さんで私達はまたカップルに間違えられ、更には「カップル割&サービス」というおもてなしまで受けてしまったのだ。

そこまではまだ良かったのだが、料理が来るまでの間に隣に座るお客さんに話しかけられた。
その人達が現地の人なのか同じく観光客なのかは分からなかったが、かなり酔っ払っていてしつこく絡まれてしまったのだ。

しかし、そういう雰囲気も沖縄ならではなのだろうか。周りを見渡せば同じように初対面同士であろう人達が楽しそうにお酒を酌み交わしていた。

高校生の私達にその空気はまだ早い気もしたが、私達のせいで雰囲気を壊してしまうのも良くないとその場を受け入れることにしてしまう。

それが間違いだった。


おもてなしをされた「カップル割&サービス」のメニューには泡盛という沖縄の名産品であるお酒も入っており、私達の事を未成年と知らないお店の人達はそれを当たり前のように提供して来る。

そして、隣に座っているお客さん達は待ってました！と言うように「来たね来たねぇ」「乾杯するぞー！」と私達にその泡盛を煽ってくるのだ。


断る事もできず、未成年だと言うこともできず。


結局散々お酒を飲まされてしまい、お店を出る頃には所謂「出来上がった」状態になってしまった。

そして今に至る。







「頭いてぇ...」

『疲れた...』



大人の世界は怖いと言うことを思い知らされた私達。伊地知さんがいればこんなことにはなっていなかっただろう。


普段あんなにドライで冷めた顔をしている恵も、今は顔が真っ赤だ。



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