一匹の毛玉 ページ32
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傷だらけ血だらけで、抵抗する力さえ残っていない子兎
そんな状態の彼女を不良少年共が狙わないわけなかった。
ズカズカと歩を進めて彼女の前に立ち塞がる。
Aはその存在を確認すると歩みを止め、力なく睨んだ。
「今日はいつにも増して元気ねェじゃねェか」
一人が言った。
「ついでに今までの借りも返してやろうぜ!!」
賛同し、下品に笑う。
手に握られた鉄製の棒
振り下ろされるそれを避ける力もなく襲い掛かってくるであろう痛みに瞳を閉じた。
「グワァァァッ!!!」
悲鳴にも近い叫び声を上げて右腕から血を流して倒れる。
赤色の毛玉が鉄製の棒をその強靭な顎で噛み砕いていた。
どうやら男は噛みつかれたらしい。
「ば、化物だァ!!」
「逃げろォォ!!」
情けなく泣き叫びながら去っていく背中。
そんなもの気にも留めずに互いが互いを見つめた。
「神、兎・・・・」
お前がやったのか。
そう聞くように落ちている鉄屑に目を向ける。
神兎はそうだと言うように耳をピクピクと動かした後、何かが入った袋を持ってくる。
中を見ると、傷の手当用の道具がある程度揃っていた。
Aは僅かに笑うと、一匹の毛玉を湯たんぽにして傷の手当てを始めた。
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宇宙 - 凄い面白いです!おススメします! (2019年11月24日 18時) (レス) id: 851b2213db (このIDを非表示/違反報告)
黒金 - あお果実さん» ありがとうございます!そう言ってもらえると、とても嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2019年3月6日 20時) (レス) id: 16e0ec3fb6 (このIDを非表示/違反報告)
あお果実(プロフ) - とても面白いです!これからも応援してます(*´∀`) (2019年3月6日 16時) (レス) id: 11c4dc89d1 (このIDを非表示/違反報告)
黒金 - momoさん» ありがとうございます!私も、こうして見ると何だかしみじみとしてしまいます・・・・。小さい頃から壮絶な人生送ってますよね・・・・。これからも更新がんばります! (2019年3月3日 23時) (レス) id: 16e0ec3fb6 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 初めまして!銀魂の成り代わり小説少ないし、神威の成り代わり見た事無かったので書いてくれて嬉しいです!!こうやってみると神威恵まれ無さすぎて推せに推せる.......。これからも更新楽しみにしてます。無理をしない程度に頑張って下さい( *˙ ˙* ) (2019年3月3日 22時) (レス) id: afb06b4870 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒金 | 作成日時:2019年2月23日 22時