どうすれば ページ14
*
「惑星徨安・・・・。」
静かに呟いた後、家に向かって走り出した。
*
神晃は再び、家を出て何処かへ向かおうとしていた。
「なんで」
気配には気づいていた。
だが、声をかけてくることは予想外だった。
「なんで母さんを好きになったの。」
何かを堪えるように、拳を握りしめる。
「父さんが母さんをあの星から連れ出さなければ、母さんはああならなかったの。」
自分が今知っている最低限度の情報。
それを元にして、色々な事を考えた。
その結果だった。
「父さんが、母さんを───」
足元ばかりを見ていた瞳。
その瞳には、迷いや不安。
様々な感情が入り混じっていた。
「その通りだ。」
その背中は、いつも見ていた逞しい背中ではなかった。
「一人ぼっちであの星に生きていたアイツを放っておけなかった。護ってやりたかった。」
そう、護ってやりたかったのだ。
「だが」
護られていたのは、俺の方だったのさ。
また、思考を巡らせる。
考え過ぎて、ショートしてしまいそうだった。
「俺はあの死の星では生きられない。だが母ちゃんもまた死の星以外では生きられない。だから母ちゃんは俺に何も言わずに黙ってついてきたんだ。」
一人で永劫の時を生き続けるより
誰かと共に生き、死ぬ事を選んだんだ。
「責めるなら、母ちゃんのそんな思いに気づけなかった俺を責めろ。だがもし、あの時その事に気づいていたとしても俺は・・・母ちゃんは、今と同じ道を選んだだろう。それでも」
その時、目を見開いて背中を見た。
追いかけていた。・・・・はずだった。
気づかない内に、どんどん遠ざかっていっていた。
彼女の目指すものは、もう
何も、なくなってしまったから。
*
178人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
宇宙 - 凄い面白いです!おススメします! (2019年11月24日 18時) (レス) id: 851b2213db (このIDを非表示/違反報告)
黒金 - あお果実さん» ありがとうございます!そう言ってもらえると、とても嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2019年3月6日 20時) (レス) id: 16e0ec3fb6 (このIDを非表示/違反報告)
あお果実(プロフ) - とても面白いです!これからも応援してます(*´∀`) (2019年3月6日 16時) (レス) id: 11c4dc89d1 (このIDを非表示/違反報告)
黒金 - momoさん» ありがとうございます!私も、こうして見ると何だかしみじみとしてしまいます・・・・。小さい頃から壮絶な人生送ってますよね・・・・。これからも更新がんばります! (2019年3月3日 23時) (レス) id: 16e0ec3fb6 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 初めまして!銀魂の成り代わり小説少ないし、神威の成り代わり見た事無かったので書いてくれて嬉しいです!!こうやってみると神威恵まれ無さすぎて推せに推せる.......。これからも更新楽しみにしてます。無理をしない程度に頑張って下さい( *˙ ˙* ) (2019年3月3日 22時) (レス) id: afb06b4870 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黒金 | 作成日時:2019年2月23日 22時