想い想われーifー【相澤消太】[僕のヒーローアカデミア] (ページ3)

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【手紙】2. ページ3

『消太さん！』

次の日

いつものように病室を訪れると昨日とは違う元気なAが出迎えてくれた

「何かいい事でもあったか？」

『ふふっ！はい！』

そう言って手に握っていたのは一枚の手紙

前にもらったようなしっかりとしたものではなく少しよれた手紙

腕が少ししか上がらないため少し震えていた

「俺にか？」

『手紙……とはいえないかもしれませんが…』

手紙を受け取り中を見ようとした

だが

『こ、ここで読むんですか！？』

「何が悪いことでもあるか？」

赤い顔をしながら手紙を開くのをやめさせた

『本人の前で普通読みますか！！』

「お前の手紙は手紙っていう文じゃないからな」

本人の反対を押し切り手紙の封筒を開け中を見ると

【肖太さんへ

文字が書けるようになりました】

子供が書いたような、お世辞にも綺麗とは言えない文字で書かれた字

Aは真っ赤な顔を枕に埋め反応を見ないようにしていた

「お前が…自分で書いたのか？」

『……』

首を縦に降る動作をしているが顔が見えない

『や、やっぱりその手紙なしです！！！汚い字で…！』

「綺麗だよ」

頭に手を置き撫でるとバッ顔を上げ目を丸くした

『だってこんなに汚いんですよ！？どこが綺麗なんて！！』

「お前がが必死に書いたんだろ？動かないのに読める字を書けるのはすごいだろ」

『～～～っ！！綺麗ではないです！』

「まぁ俺の字が違うけどな」

『嘘！？』

そう言って相澤はカバンに入ったいたいらない白紙の紙を取り出し机に置くとAにペンを握らせた

自分の手もAに被せ紙にペンを置いた

「俺の字は……」

Aに書かせるかのように腕を動かし二人で紙に文字を書く

【相澤消太】

画数が多く少し歪だった

だがその時を見て少し笑った

『字を間違えるなんて……でも…』

相澤が手を離すとまた紙にペンを置き今度は自分の力で文字を書いた

ペンを握る手が少し震えている

ペンを握るだけでも集中力がいることが分かった

『消太さん画数多くて大変ですね』

「それでも書けてるぞ」

少し嬉しかった

辛いリハビリで手が少しでも使えるようになり自分の手で書いた文字に達成感を覚える

『ふふっ…やっぱり汚いので個性で書いた方がいいですね？』

「どっちの字も俺は好きだ」

少し顔を赤くして微笑むAが更に愛おしく思えた時だった