想い想われ【相澤消太】 [僕のヒーローアカデミア] (ページ9)

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9通目ページ9

「あ！相澤さん！」

「どうも」

「今通野さんリハビリ室何ですが案内しますか？」

「あ、自分で行けるんで」

いつものように病室への廊下を歩いていると看護師に言われた

いつも来ることだからほとんどの人に顔と名前を覚えられてしまった

『～～～っ！！』

「そうそう！最初より力入ってますよ！」

『ほんとですか！？はぁ～～！』

「A」

『あっ、消太さん…！』

リハビリ室ではAと看護師が手に力を入れるリハビリをしていた

想像以上に疲れるのか少し汗をかいていた

「あ、病室連れていくので」

「そうですか。通野さんお疲れ様でした！」

『いえ！こちらこそありがとうございました！』

そう言って立ち去った看護師の笑顔はまさに白衣の天使と呼ばれるに相応しいと思った

『消太さんもうお仕事いいんですか？』

「あぁ、今年はそんなに忙しくないからな」

『今年は？』

「学校だ」

『嘘！？え！！消太さんもしかして学生さんでしたか！？』

「アホか……先生だ」

車椅子を押しながら病室に戻り汗を拭いてあげる

最初こそこんなはずではなかったが介護も手馴れてきたものだった

『消太さん、ヒーロー活動もやって大変じゃないですか？』

「俺が行っているのは雄英だ。多少の融通は聞くんだ」

『雄英……ヒーロー科が有名なところですよね！凄いです！プロヒーローが高校の授業を教えるなんて！』

1人でペラペラと話しているのはいつもの事

それにたまに答えるだけだった

いつもなら、こういうことにはうるさいと一括するがAの声は心地よくそうはならない

不思議だった

「なぁ、またどこか行きたいところあるか？」

『また連れてってくれるんですか！！あっ……でも冬は……』

「冬は何なんだ？」

『あっ……冬はいつも体調が…多分外出許可も……』

言われてみればそうだ

いつも元気にしている様子から病人であることを忘れさせられる

「悪かったな…暖かくなったら…だな？」

『はい！でもまだ冬まで少しありますし、もし消太さんのお仕事の都合さえ合えば！』

「そうだな」

それから少し忙しくなりなかなかAに会いに行ける日も少なくなってしまった

そんな時また1通の手紙がポストに入っていた

【お元気ですか？】

案の定Aからの手紙

体調を崩しがちになると言っていた冬

会いに行けないことに少し悔しさと寂しさがあった

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