想い想われ【相澤消太】 [僕のヒーローアカデミア] (ページ8)

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8通目ページ8

『誰とも話さなくなって……この個性の使い方がわからなかったら本当に一人ぼっちでした…』

「俺に送ったのが初めてだったんだな？」

『はい…手紙のお返事が帰ってきた時は本当に嬉しくて嬉しくて……消太さんみたいな優しい人に届いて本当に良かった…』

そういうとほほに一筋の涙が流れるのが見えた

初めて見た

いつも笑っている明るいAが涙を流しているのに少し心が傷んだ

『消太さん……私まだ生きていていいんですか…？』

悲しいくらい綺麗な顔で言われ思わずAのことを抱きしめた

「死ぬなんていうんじゃねえぞ…」

『消太さんの匂い…初めてです……髪の毛も長いんですね？あとヒゲも生えてる…』

腕をあげようとしているのかプルプルと震えているのがわかる

『こうやって……こうしてもらわないと分からないんです……いつも光がない世界で…消太さんのことも見つけられない…』

「俺が見つける…」

『今日だって車椅子を押してもらわないとどこにも行けない……誰かに食べさせてもらわないと何も食べられないんです……』

「俺が車椅子を押すし何でも食わせてやる…」

『ふふっ…嫌気がさしますよ…？誰かに助けてもらわないと生きられないなんて…だから…』

「俺はヒーローだ……」

抱きしめる力が強くなったのがわかる

細いAの体が押しつぶされるようだった

お互いの長い髪の毛がお互いの鼻をくすめる

「死にたいなんて……言うんじゃねぇぞ…」

『……嫌ですよ』

「俺がお前のことを生かす…」

『私達赤の他人だったんですよ？なんで……』

「俺が…お前のこともっと知りたいと思った好きだと思ったんだよ……」

弱々しい言葉で呟いた言葉にまた涙が流れるのが分かった

抱きついているせいで心臓の音が早いのがわかった

それはAもだった

『消太さん……私こんな体なんでもっと頼りますよ…？』

「あぁ」

『生きていてもいいんですか…？』

「生きてくれ…」

『消太さんの顔が見たいの……何も見えません…自分の顔も今分からないです…』

「綺麗だよ」

『消太さん……』

『一緒に……ずっと一緒に隣でお話してくれますか……？』

「お前が飽きたっていうまで話もする……一緒にいたくないって言われても隣にいてやる」

こんな幸せ……生きていてよかったと思えた

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