想い想われ【相澤消太】 [僕のヒーローアカデミア] (ページ29)

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29通目ページ29

『おかしい……』

「？」

セキュリティがマスコミによって突破された

そうではない

校門には不可解な穴が広がっていた

誰かが力ずくで突き破ったかのように見えた

ヒーロー達が外に出てマスコミ立ちを追い払っているのが見えた

多分この昼休み、食堂などでは生徒達がパニックを起こしているだろうと感じた

『先生？生徒達にマスコミによるセキュリティ突破を伝えるために放送したいのでやり方教えてもらえますか？』

そう尋ねると放送室に向かい放送のやり方を教わった

ーー＜えー…先ほどセキュリティ3が突破されましたが皆さん落ち着いてください。マスコミによる突破です。只今先生方が対応しています。生徒の皆さんは落ち着いて行動しましょう＞ーー

「A…？」

聞きなれた声で放送がかかる

きっと外の騒ぎを見て生徒達がパニックを起こしていると思ったのだろう

「Aさんやるじゃねぇか…？」

「ふっ…まあな..」

「フゥー！！！惚気かよ！！？？羨ましいぜ！！」

あの放送のあと、生徒達の間では誰の声だったのだろうかと少しの間騒がれるようになった

『少し、出しゃばっちゃいましたか…？』

「いや、逆に助かった」

『ふふっ…たまたま窓から見えたのでよかったです！』

照れくさそうに顔を少し赤らめるA

つられるように相澤にも笑がこぼれた

『今日の騒ぎって…マスコミによるものだったんですか？』

「表向きは…な」

『表向き？』

「マスコミにセキュリティを突破できるほどの強い個性を持っているやつはいない。誰かがセキュリティを破壊した形跡もあった」

『それって……敵…ですか？』

昔の敵の事件が蘇る

あの日自由を奪われたAにとっては恐怖の存在

死ぬ体験までした

「大丈夫。雄英はヒーロー達がいる。何かあっても大丈夫だから」

『そうですよね……』

少し震える手を握り肩を抱き寄せる

なにか嫌な感じがしてたまらなかった

『消太さんが手を握ってくれるの…すごく安心するんです』

「普通じゃないか？」

『何でしょうね？ふふっ！』

優しく笑うと頬に擦り寄ってきてヒゲがくすぐったいなど言っている

綺麗な容姿のはずなのにすごく可愛く愛らしく思える

ーー惚気かよ！？ーー

マイクにも言われた言葉

自分が思っている以上にAに惚れ込んでいるのだと思う

「好きだよ」

『どうしたんですか急に？』

「なんかな…」

『隣にいてくれるだけで伝わってきますよ』

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