想い想われ【相澤消太】 [僕のヒーローアカデミア] (ページ23)

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『消太さん…ありがとうございます』

学校から帰り病室に戻ると本日何回目かの感謝の言葉を改めて言われた

「あとで婚姻届…持ってくるな」

『ふふっ…ありがとうございます！結婚かぁ……』

「あぁ、やっぱり不満か？」

『いえ！むしろ私なんかで……こんな醜い姿の私が……』

足を見ながら呟いた言葉は酷く重かった

爆発の影響で吹き飛んだという足は互い違いの長さであり傷跡も当然のように残っている

『消太さん……私子供欲しいなんていいません…』

「あぁ、俺はお前がいればいい」

『私も…消太さんさえ隣にいてくれれば幸せなんです…でも』

「なにか不安か？」

『腕が使えないので家事も出来ません…お風呂も1人じゃ入れない…トイレも1人では…』

そんなことわかってはいた

本人も気にしていると知っていた

だがそんな不安も全部ひっくるめて一緒に住むことを決断している

「俺は全部覚悟でお前と暮らしたいって言ったんだ」

『今以上に迷惑かけますよ…？』

「むしろかけろ」

『消太さんが良くても……』

少し弱気になってしまったAの前に一つの箱が置かれた

『消太さん……？』

「俺はお前と一生一緒にいる。そんな不安捨てろ」

綺麗な指輪だった

結婚指輪

この人に何回泣かされるのかというくらい泣いている

幸せだった

上がらない腕を持ち上げ指輪を取るとまるで結婚式のようにその指にはめた

「いつも手を握ってるからな……ぴったりだな」

『消太さん……私っ……』

「大丈夫……大丈夫だから…」

『うっ……泣き虫でごめんなさい……こんな幸せ…初めてで……』

これからの共同生活

困難なことが多くなってくると思う

面倒なことが多くなると思う

だが少しでも迷惑をかけないようリハビリも頑張る

仕事だってこなす

相澤の大丈夫という声に少しだけ新生活に胸を弾ませた

「「通野さん！！退院とご結婚おめでとうございます！！！！」」

退院の日

たくさんの看護師や医師に見送られ花束までも頂いた

春

体調も良くなりリハビリの成果もあり腕も少しだが上がるようになってきていた

『長い間、大変お世話になりました！！体調崩したらまたお世話になるかもしれませんが…』

「大丈夫ですよ。色々大変なことがあるとは思いますが頑張ってください！」

そう言われる言葉に胸が少しだけ暖かくなり高鳴らせた

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