想い想われ【相澤消太】 [僕のヒーローアカデミア] (ページ17)

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17通目ページ17

『なに……言ってるんですか……』

目を見開いたその目は赤くなっていてまだ目尻には涙が溜まっていた

「治療費も何もかも俺が出す」

『何言ってるんですか！！！他人ですよ！！？？何でそんな……』

「ヒーロー活動と学校の収入で金ならある。……言っただろ？一緒に暮らさないか…って…」

そう言いながら倒れた車椅子をなおし、またAを座らせた

Aの手を握り目をしっかり見ていた

『消太さん……意味わかってるんですか………？』

「俺は好きって言ったぞ…？」

『なんなんですか……消太さん…私……』

「結婚…しないか……？」

出会いは一方的な手紙からだった

会えるなんて思っていなかった

こんなにいい人だなんて思っていなかった

自分を好きになってくれるなんて思ってくれなかった

『消太さん……私…幸せです……』

「まだ結婚してないぞ？」

『その言葉だけでも……十分なんです……』

手に力を込めているわけでもないのに手が震える

声も涙で震えている

『こんな体でも……』

「愛するよ…」

『消太さん……好きです……大好きです……』

初めて本音をぶつけた

初めて想いを伝えた

そして、初めて優しいキスをもらった

幸せを感じられた

『消太さん？』

「なんだ？」

流石に寒くなって体が冷えてはまた体調を崩しかねないと病室に戻ってきた

まだ頬には涙の跡が残っている

『治療費はちゃんと返します…生活費も…私もまた働きたいと思ってるのでそれを探すまでお世話になると思うんですけど……』

「そういうのは考えなくていい」

『でも……』

「義足は……どうするんだ？」

『………』

正直迷っていた

多分義足で歩けるまでになるのにも時間もお金もかかってしまう

Aが考えていたのはお金のことだった

「金のことは考えるな」

『でも……』

「車椅子でもいい…無理に義足にする必要もないんじゃないか？」

『車椅子だって…腕が使えないのでそれなりの値段……』

「やっぱり金について考えてたな？」

『あ……』

まんまと相澤の口車に乗せられてしまって少し悔しい

「治療費も入院費もお前が少しは払ってる。俺をあまり貧乏人扱いするなよ？」

『別にしてませんよ！！でもやっぱりあまり迷惑は……』

「はぁ……迷惑かけられた覚えはない。むしろかけさせろ」

『……』