想い想われ【相澤消太】 [僕のヒーローアカデミア] (ページ16)

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16通目ページ16

「なんで……辛いんじゃないのか！！！」

『……』

「いつもそんなふうに笑って……辛いっていえばいいだろ！！！」

『………だって……言葉にしたら……本当に辛いって思っちゃうじゃないですか……』

震える声で相澤の目を見ながらポロポと涙が溢れた

『なんで……相澤さんがそんな辛そうな顔をするんですか……』

「……っ！」

『私……だって……私だって辛くないわけないじゃない！！！！何も出来ない自分が嫌ですよ！！！』

そう叫ぶAの顔はいつものような笑顔ではなく悔しそうに歯を食いしばっていた

『嫌ですよ……こんな……なんで……なんで私だけこんな……』

「A……」

『消太さんもいつか……いつか私を見捨てるって……そう思って……』

「俺はお前を見捨てたりなんか絶対にしない！！！！」

車椅子に乗ったままの小さなAの体を自分に引き寄せ車椅子が倒れる音が誰もいない公園に響いた

『離して……』

「嫌だ…」

『…っ！！！離して！！！これ以上誰かに迷惑はかけたくない！！！！！！』

「迷惑なんか思ってねえ！！！」

『ははっ……腕もあげられない…離してって言ってるのに突き飛ばすことも暴れることも出来ない……本当に何も出来ない…』

力なく笑うがいつものような笑い声ではない乾いた、自虐のような笑い

相澤の抱きしめる力も強くなっていった

「隣にいる……」

『え……？』

「ずっと隣にいるって…約束したのはお前だ…A……？

一緒に暮らさないか…？」

思わず声を失ってしまった

なんだろう

嬉しいはずなのに涙が出る

『助けてもらわないと…何も出来ないんです…』

「知ってる」

『私…こう見えてずっとずっとわがままなんです……』

「あぁ…」

『迷惑いっぱいかけるんですよ…？なのになんで……』

「約束とか…そういうのはいいんだ……そばにいくれるだけで……」

『なんで…消太さんはそんなにいい人なんですか……』

「お前が好きなんだよ……」

『私……もう、誰にも迷惑かけたくない…見捨てられたくない………』

相澤の肩に顔をうずめ涙を流すAは弱々しかった

ただでさえ細くて小さな体

余計に弱く見えてしまった

『治療費もまともに払えない借金まみれになってもいいんですか……？』

「そんなことさせるわけないだろ……

俺が全部払う」

『え…？』

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