想い想われ【相澤消太】 [僕のヒーローアカデミア] (ページ15)

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15通目ページ15

「ーーー………」

「ー…ーーー……」

いつものように受付を前を通り帰ろうとしていると看護師たちがヒソヒソと話す声が聞こえる

「あの203号室の……」

「Aのこと…？」

少し気になり足を止めて会話に耳をすませた

「もう介護なしでは生きていけないわよね…ご家族の方、見たことないけど…」

「治療費も払わずに全部病院任せにしてるみたいよ？自分の貯金でここにいるみたいな事言っていたけど……そろそろ…ね？」

「あの相澤って人も愛想尽きて来なくなるのも時間の問題ね…」

「は…？」

思わず声が漏れてしまった

家族がAのことを見捨てていた

治療費が払われていないことに驚いた

ーー愛想が尽きて来なくなる… ーー

ーーずっと隣に居てくれますか…？ーー

あの言葉にはきっとまだ意味が込められている

なんで気づいてあげられなかったのか

最初に感じた違和感はこれだった

誰もお見舞いに来ない。しばらく話していない

気づかなかった自分に腹が立った

「なぁ、少し外に出ないか？」

『？外、ですか？』

体調が回復してきた頃気晴らしに外に出ようと誘うと嬉しそうに「はい！」と言った

外と言ってもまだ寒い

あまり遠くに行けないが病院の外にある小さな公園まできた

「寒くないか？」

『はい！……どうしたんですか？いきなり…』

「…単刀直入に言う。お前の治療費はどうしてる」

その言葉に笑顔が一瞬にしてなくなった

『………誰かから聞きました…？

「……悪い…」

『全然いいんですよ…？……家族にはもう捨てられてるんです…』

予想は当たっていた

貯金を切り崩していると言っていたがもうその貯金も尽きると言っていた

『近々、1人で暮らせるようにって…借金してでも義足にもしようか、あるいは車椅子をって……』

「義足…？」

『はい！腕を動かせなくてもせめて足だけでも……って思っていて…』

そう言って見たAの両足はひざ掛けに隠れているが膝から下、太ももから下が無い

『もちろん腕のリハビリもずっとやってますがあまり役に立てなくって』

「なぁ……」

『幸い私にはこの個性があるので仕事なら……』

「なんでそんな風に笑えんだ！！！！！！」

『！？』

Aの笑顔に初めて叫んでしまった

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