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村は大きな柵で囲われているが監視塔が確認したのは柵をガシガシと噛み壊そうとしている光景
「な、なにを…！」
武装した村の人たちは狼に銃口を向けどんどんと撃っていく
怯えながら撃つ銃口は百発百中、ではなく威嚇するだけ
「みなさん！村を守ります…！」
「は、はい！！！」
海兵たちは刀を抜き、自分たちよりも一回り大きい狼に再び立ち向かっていった
だが、
「こ、こいつら…！さっきの狼達より…！」
「強ぇ…！！！」
押さえ込むのがやっと
斬りかかろうとすれば別の狼が入ってくる
「スモーカー大佐…っ！一体どこまで……！」
「たしぎ曹長…！！」
「っ！？」
大きな刃が海兵に襲いかかってきた時
「なっ！！！」
「あれは…っ！！」
他の狼よりも小さい、
いや、大人の男同じくらいの狼が鮮血と共に間に入った
「あの狼、さっきの…！」
柵に噛み付いていた狼が一斉に現れた狼に目をやった
「ガルルル……っ！」
村を守るように低い唸り声を狼達に向ける
体制を整え、狼の周りに吹雪が吹き荒れた時、先ほど守ってくれた狼の姿はなく手足が狼の少女になっていた
「あ、あなた！能力者の…！」
「……」
大きくジャンプをし大きな爪を振り下ろし村に入ってくる狼を次々と狩っていく
腕を噛まれても吹き飛ばされても表情一つ変えないその姿に思わず固まってしまう
「す、すごい……あの子…」
「おい！！たしぎ！！何やってんだ！！」
「…！スモーカー大佐！！」
圧倒されている中上司のスモーカーがやってきた
「応戦しろ！！子供1人にまかせてんじゃねぇ！！」
七尺十手を振り下ろし向かって行く
「た、大佐！その血…っ！！！」
「俺のじゃねぇ！！！いいから早く終わらせるぞ！！」
スモーカーから見てもAは強かった
海兵が1人で倒せない化け物じみた獣を楽々と1人で狩っていく
そして広い視野
村人に襲おうとする一匹でさえも軽い身のこなしで狩っていく
初めて山で会った時にも感じていたが、数年間山で生活していた知識でここまで強くなるかと感心した
そして、
「……これで、全部か……」
いつのまにか脱いでいたジャケットを再び拾い肩で息をする少女に近づく
先ほどまで貧血で倒れていたというのによくここまでと感心したが表情と体を見て察した
「お前……っ、」
「……スモー、かー……あ、ありが、と……」
真っ青な顔、大量の冷や汗
明らかに今の戦闘でついたわけではない
銃痕があった
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作者名：usagi | 作成日時：2022年12月25日 15時
