正義と忠誠と【ONE PIECE】 (ページ41)

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『あら、本当なの？驚いた…ヒナ驚愕』

「だから、んなことの確認か？」

若干苛立ちを見せるスモーカーに気づいたのか電伝虫の口から微かな笑いが聞こえた

『確認もだけどその子に私も会いたいの』

「会いてぇって…お前」

『引き継ぎもあるから2日の猶予はあるはずよ。貴方が元帥にまで取り継いだっていう子がヒナ気になっちゃった』

「……」

なんでそこまで知ってるんだと受話器を握るてに力が篭ったが一方的に「それじゃ」と切られスモーカーも置いた

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思っていた以上に時間が経っておりあたりは暗くなり甲板には月明かりが差し込んでいた

スモーカー専用とも言える椅子に座り電話が終わるのを待つ

波の音に耳を傾け目を閉じる

気持ちのいい潮風とは裏腹に周りの雑音が際立つ

「いいご身分だな」

「あ〜…早く交代こねぇかなぁ…」

「1人でうろちょろされるの目障りなんだよ」

「さっきの入電…ヒナ嬢か……」

ギュッと体を丸めればまた黒い渦がやってくる

うるさい、考えるな、黙れ…

心の中で小さく、小さく唱え収まるのを待つ

持ってきていた本が床に落ちたがお構いなし

両肩を手で抑えながらさらに丸まる

「……っ、」

だんだん呼吸が荒くなるにつれ黒い感情が全身に渡っていくような感覚

助けて

「A？」

「……っ！？」

バッと目を開け上を見るとスモーカーの焦ったような顔

「す、モーカー……」

「うなされてたが、平気か？」

汗をかいていた中前髪が額に張り付いて気持ち悪い

床に落ちた本を広い椅子から降りた

「へ、いき……終わった？」

「あぁ、お前に会いてぇってやつからだ」

「……クザン？」

「違ぇよ」

Aの前髪をかきあげるように頭を撫でられ涼しい潮風のおかげで汗は引いた

「悪りぃ夢でも見てたか？」

「……た、ぶん…」

伏目でそう答えると小さく「そうか」といい船室に戻るよう背中を押された

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その晩、久しぶりに村にいた頃の夢を見た

村人たちの怯える目、狼たちの殺意に溢れた目

正直どこにいても生きた心地がしなかった

ーー化け物！！

何万回と聞いた言葉

耳に残るその声が離れない

ーー「じゃぁ、私はどうすればよかったの！！！」ーー

叫んでも聞こえるわけがないその声は誰にも届かない

耳を掻いても掻いても血が吹き出すだけ

白い地面にポタポタと流れる赤い血

だが周りを見てみればどうだ

「……っ！」

人も、村も、狼たちも

見るもの全てが真っ赤じゃないか

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