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Aが海軍本部についてからひと月ほど
ようやく退院の許可が降りスモーカーと医務室を後にした
本部の医務室にいたがために本部を歩けばヒソヒソと噂話をする声が聞こえた
「……スモーカー…」
「なんだ」
「……みんな、話し、してる……」
「本部だからな」
お構いなしにスモーカーが歩く後ろを少し早足で着いていく
「あれが噂の…」「本当にスモーカー大佐のところに」「ただの子供じゃないか」「……かわいい」
久しぶりに大勢の人が周りにいることにより目をぐるぐると泳がしていた
「……どうした」
「……なんか、…」
追いついたAがスモーカーの裾につかまり周りをキョロキョロと見た
「すご、い…ヒソヒソ…聞こえ、て…うるさい……」
「……あぁ、耳がいいんだったな」
しゃがみ込みAの頭に手を置いた
「お前が思ってるほどひでぇことは言ってない。むしろ俺のことだ。もう少し我慢してくれ」
「……(こくり)」
軽々とAを片手で抱っこしいつものように襟に掴ませた
その光景をみてまたざわつく
鬱陶しいという感情を抑えながら本部を後にした
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「着いたぞ」
たどり着いたのは見慣れた船
海兵たちがバタバタと走り回る船内に足をつけあたりを見る
「……どこか、行く…？」
「あぁ、俺たちはしばらくローグタウンに常駐になる」
「ローグ、タウン……」
「お前の退院を待ってた。準備が出来次第すぐに出る」
そう言いいつもの船室に入っていくスモーカー
1人何をすればいいかわからず船室の前で静かに座り込んだ
「お〜い！誰か手伝ってくれ！」
「………」
その声を聞きつけると積み荷を運んでいる海兵が船に向かって叫んでいる
バタバタと忙しそうな船員たちが多く、タッタッと船を降り先程の船員の元へ駆け寄った
「…ん？なんだ？こんなところに子供がいちゃダメじゃないか」
「……て、つだい……きた……」
「ははっ、そうかそうか、だけどお嬢ちゃんにはちょっと大変かなぁ」
そういい頭を撫でられ軽くあしらわれた
「………これ、運ぶ…でしょ……」
「いや、そうだけどお嬢ちゃんじゃ……って、ええぇーーー！！！！」
目玉が飛び出る船員も無理はない
体格に見合わない獣の手になり軽々と木の樽を持ち上げ階段を駆け上っていく
確かに少し重いなと思うがそこまでか？と顔色変えず、汗ひとつかかずに船へどんどん乗せていった
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作者名：usagi | 作成日時：2022年12月25日 15時
