正義と忠誠と【ONE PIECE】 (ページ32)

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「……っ！」

赤犬の真っ赤な腕を掴みジュウゥゥと肉の焼ける音がしてもAは赤犬から目を逸らさず顔色一つ変えない

「貴様っ、！」

その光景に赤犬すらも驚いた声を上げた

「赤犬！！」

呼ばれた言葉と共に赤かった腕は一瞬で青い氷に変わりAも手を離し距離を取る

カツカツと音を立てながらやってきた青雉

怒っているような雰囲気で赤犬を睨んでいた

「A！」

ガープがAに駆け寄っていくがAに取っては次に何をされるかわからない

「ガルルルル………」

一瞬にして狼に変わり駆け寄ってきたガープにも威嚇をする

周りを見渡しスモーカーがいないかを探す

ざわざわと見ている海兵、赤犬と口論になっている青雉、心配そうにAを見るガープ

「……っ、どこ、っ…」

焦ったようにぐるぐるとその場を回り、その先にガープがAの元に寄る

海楼石の錠を手にかけ、Aも元の姿に戻った

どさっと音を立て力が抜けた体は床に突っ伏した

すかさず自分の肩にかかった海軍のコートをAに被せ壁に寄りかかる

「無事か？」

「…(こくり)」

頷くAに安心したように赤犬を掴んだ手を見た

手のひらは焼けただれ本来であれば常人は痛みにもがいているはず

「痛くはないのか」

「い、たみ……しら、ない…」

その言葉はAの顔を見ればわかり口元の傷跡も痛々しく見えた

「お前さんを医務室に連れていく。そこにスモーカーも来るはずじゃ」

「……」

「クザン！あとは何とかしとけ！」

面倒くさそうに青雉が頭をかきAを抱えてガープが走った

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「来たか」

腕を組み座るガープとスヤスヤと眠るA

「何でそんなにボロボロになったんですかガープさん」

「海楼石を取った時に暴れたんじゃ。だから今は鎮静剤と麻酔を打って眠らせとる」

飛び立ったであろう血が医務室の壁についている

「そんな、船室ではそんなこと…」

「まぁ、こちらも手荒な事をしたからな…で、どうするこの娘」

「どうもこうも、赤犬との渡り合えるとなると放っては置けない。異例だが、スモーカーのところであれば何とかなるだろう」

センゴクもやってきて眠るAの顔を覗いた

「スモーカーから大抵の話は聞いた。イヌイヌの実なのは間違いない…恐らく幻獣種。野犬を手懐けるには野犬が適任だろう」

皮肉を交えた言い方でスモーカーを見ると冷や汗をたらしていた

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