正義と忠誠と【ONE PIECE】 (ページ4)

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「さっきのはなんだ？」

滞在する宿に着くやいなや葉巻を咥え直し火をつける

目の前にいる先程の村人

先程銃声を聞いた狼は森の奥へと戻り、村の中は騒然としていた

事情を知らないスモーカー達は事情を聞くため一度宿に戻り話を聞くことになった。

「先程狼の話をしたと思いますが…」

「あぁ、あれが凶暴な狼か？俺には最初子供に見えたが…」

口元に血をつけた少女

確かに言葉を発したように聞こえた

「あれは…子供の姿になれる狼なんです…っ」

「子供の姿になれる…？それって、」

「悪魔の実か……」

思い当たる節はそれしかなかった

大方、狼が悪魔の実を誤って食べてしまったと推測した

「で、あの狼が凶暴ってわけか…」

「あの一匹…いや、1人？だけってわけではないですよね？」

「元々凶暴な狼は多いのですが、あの狼は狼同士で争っていて…少女の姿で村に降りて、食料を奪い…この島全体の嫌われ者‥というべきでしょうか…」

フーッと煙を吐けば部屋中に煙が充満したしぎが宿の窓を開けた

「島の嫌われ者……」

「でも、さすがに研究棟に行くのに毎回船を旋回して時間をかける…というのも、村に被害を加える能力者…なんとかしたいですね…」

「おい、たしぎ…」

「村にしばらく滞在するのであれば狼をなんとかするくらいのお手伝いはできると思います」

手を顎に当てながら悩むように話すたしぎ

その言葉に村人の顔色はぱっと晴れたしぎのてをぎゅっと掴んだ

「ほ、ほんとですか！！！あの、狼一匹だけでも！！どうか…！！」

「はぁ…お前…」

頭を抱えながらやれやれという表情でたしぎを見たが、「はい！」と、頼まれたら断れない性格とはこのことかとまたため息をついた

「狼討伐、か………」

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森の中にある凍った小川

ーーーその血、どこでやられた

小川を覗くと狼の姿の自分

少女の姿に戻り、口元にこびりついた血を近くにあった雪で拭った

「ん………」

左の口元に大きな傷跡

冷え切った真っ赤な手でなぞっても感覚はない

小川の近くの茂みに隠していた果実を胸に抱え小さな足跡をつけながら洞窟へ続く道をとぼとぼと歩いて行った

毛皮の絨毯に腰を下ろし持ってきた果物に齧りつく

「……」

真っ暗な洞窟に響くムシャムシャと頬張る咀嚼音

だけだと思っていた

グルルル…………

血の匂いなのか、果物の匂いに誘われてやってきた4つの光

ここの狼達はいつでも腹を空かせている

当然自分も

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