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ー数年後
ノースブルー
「ここか、」
雪が降る白い地面に足をつけ、咥えた2本の葉巻から白い煙をモクモクと立ち上げた。
「スモーカー大佐、コートを…」
「いらねぇ」
氷点下の中ジャケットの前を全開にしている男、いや人間はここにいるスモーカーだけ。
街の様子を見回るように進むスモーカーだが、眉間に皺を寄せたその見た目に、街の住人はヒソヒソと話している。
「おい、たしぎ」
「は、はい!スモーカー大佐!!」
コートを羽織りながらメガネを掛け直し駆け寄る部下のたしぎを横目にまたタバコを咥え直す
「妙に街の様子がおかしいな、海軍はお呼びじゃねぇ…って雰囲気だな…」
「それは…スモーカーさんのその、見た目が…」
「あ゛ぁ゛?」
「い、いえ…でも妙におかしいですね…。外部との交流がないと言われている島とはいえ、珍しい目で見られているような…」
海軍本部からの要請で来た小さな孤島。
大きな雪山に覆われ年中吹雪が吹き荒れる所謂冬島。
最北の北極に1番近い島ということで研究施設が多いため世界政府から重宝されている島でもある。
「今回は物資を届けに来ましたが、軍艦の修復もするため2、3日の滞在にはなるかと思います。」
氷山が多い孤島の周辺
いくら海楼石が敷き詰められた軍艦でも船底のみ
周りの甲板などは長い船旅で剥がれた板などが多く見られた。
幸い資材などは島にあるものでどうにかなると連絡があり滞在の許可をもらっていた。
「スモーカー大佐、この度は…」
「あぁ、固苦しいのはいい…それよりも村はここだけか?」
「あぁ、いや…雪山を超えた先に研究施設がありますが、船で回った方が早いかと…」
「山は越えられないのですか?」
村人が刺した山は高すぎる山、ではなく1日あれば登り切れるような雪山
疑問に思ったたしぎが横から入ってきた
「あぁ、山は狼の縄張りになっており、、手がつけられないほど凶暴でして…」
「凶暴?」
「は、はい…狼の溜まり場があるのですが、数年前から集落の近くにも見られるようになっておりまして少々困ってはいます…お恥ずかしい話、ここには研究員とその家族だけで戦えるものはいないため無法地帯、となっています」
困ったように頭を掻く村人
遠くから雄叫びがかすかに聞こえる山々
そして、
「あれは……」
「…………」
村を囲う柵の向こうに子供が1人
「………に、んげ、ん…」
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作者名:usagi | 作成日時:2022年12月25日 15時