190. ページ45
.
「……準備できたか」
「…うん、」
左腕のギブスを口できつく閉め海軍のコートを片手にスモーカーの元へ行くと頭に手を置かれ見上げた
「2ヶ月、お疲れさん」
「……もっと褒めて…」
「 ……わがままだな…行くぞ」
バタバタとする海軍本部の廊下
2ヶ月の謹慎を終えて向かう場所は正面の処刑台
何かの計算かと思うほど、Aの謹慎が明けるのを待っていたのかと言うほどにぴったりに、
火拳のエースの処刑が間近に迫っていた
.
久しぶりに本部の外へ出ると海兵が所狭しと溢れかえっておりこんなにもいるのだと圧巻された
離れないようにとスモーカーの背中へおぶさるように歩いているが事情を知らない海兵からは好奇なまで見られていた
「……スモーカー…私、降りるよ…」
「離れんだろうが、別に気にすることじゃねぇ」
「……わかった…」
ザワザワと囁かれる海兵たちの声をシャットダウンするようにスモーカーの襟元へと顔を埋めていると、肩をトントンと誰かが叩いた
「あら、やっと謹慎が終わったのにまだスモーカーくんにべったりなの？」
「……ヒナ、」
「人混みは離れんだろ」
「そう言いながら満更でもない顔して」
「ぐだぐだ喋ってる暇あんのかよ…」
処刑台前へと立ち止まり上を見上げるとはるか上に拘束された男とセンゴク、処刑人もガープもいた
海軍の戦力を集めるだけ集めたのであろう
将校と言っても話したことも見たこともないものが集まりソワソワするように周りを見ていた
「A、」
「……っ」
スモーカーの背中から降りると不安そうな顔でスモーカーの手を掴んだまま冷や汗を流している
「A、大丈夫か」
「……うん…っ、ただ……知らない人…たくさん……」
「……」
ギュッと握るAの小さな手に目線が合うようにしゃがむとジャケットから隠れていたタグを見せて来た
「これから始まんのは戦争だ、いいか……絶対に死ぬな。命令だ」
「命……令………、」
「あぁ…俺たちもバラバラでの戦闘になる。能力が暴走しそうになったら俺を探せ。いいな」
握りしめるタグを見せるように真剣な顔で言うスモーカーに「…わかった…」と呟きスモーカーの手を覆うようにタグを握ると不思議と気持ちも落ち着き深呼吸をした
やることが明確になった今、あとは始まりを待つだけ
目を閉じながら握りしめ精神を統一させるように息を吐いた
「諸君らに、話しておくことがある……」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 75人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
琥珀 - １８９の所のスモーカーの名前で一つだけ「ストーカー」になってますよ (11月17日 13時) (
レス) id: d10101ae22 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：usagi | 作成日時：2023年1月30日 13時
