8匹 ページ9
食堂を出るとメインストリートの方から騒がしい声が聞こえた。
『何かあったのかしら』
フロイドが私の首に腕を回して抱きついてきた。
フ「行っちゃダメだよ〜」
『あら、バレた？』
フ「バレバレぇ普段やる気ないくせにこーゆー時だけやる気出すのやめてよねぇ」
ア「その意見には同感です」
『あら？アズールまでそんなこというの？もうお守り作ってあげないわよ？』
ア「おい、あれは大事な商品だろう！」
『ンフフ、なんの事かしら』
アズールが怒り出す前にタタっと走り出すとフロイドも走って着いてきた。
『フロイド』
フ「ん〜？」
『アレ私もできるようになったわよ』
フ「アハやるじゃ〜ん昼休みやろうよ」
『もちろん』
フ「てか、まだお守り作ってたんだねぇ」
『まぁねアズールとの賭けで負けたから仕方ないわ』
私たちはそのまま教室に入った。
同じクラスの同じテーブル
違うのはアズールもジェイドもいないこと。
クラスは1人の入学生の話で盛り上がっていた。
『魔法が使えない新入生？』
フ「あ〜昨日の式典で魔法が使えない奴とモンスターが入ってきたんだよぉ」
『なるほどね』
NRCは優秀な魔法士を育成する学び舎(男子校)
そんな中に魔法が使えないただの人間が居たら場違い
まあ、私も男子校の中に女が混ざっているから場違いなのだけれど
それでも魔法という身を守る術もあるし、魔法がなくとも生き残れる自信はある。
『楽しくなるといいわね』
フ「そうだねぇ」
お互い似たような表情をしていると思う。
ニタリと笑ってギザギザの歯を隠そうともしていない。
こういう時はフロイドとすごく気が合う。
だからフロイドと行動するのがやめられない。
もちろん他の意味もあるけれど、そっちはあくまでオマケのようなもの。
楽しい楽しい学園生活がかゆるゆると進んでゆく
どんな面白いことをしてくれるのだろうか
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作者名：涼 | 作成日時：2022年9月8日 18時
