気まぐれウツボとネコザメちゃん (ページ33)

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あっという間に来た休日。
10時にフロイドと談話室で待ち合わせをしている。

ヴィル先輩に何度もメールをして決めた服は淡いピンクのワンピース。スカート部分のチュール生地がふわふわしていて可愛い。
ある程度丈もあるため傷跡も気にならない。

フロイドとジェイドのピアスと同じサメの鱗で作ったネックレスをつけて、髪を緩く巻いて
濃すぎないように気をつけたメイクとお気に入りのジャスミンの香水。

足元にはフロイドのお気に入りのブランドから出ていた白いパンプス。

変じゃないかしら？
可愛すぎたかしら……こんな淡い色普段は着ないし……でもヴィル先輩のお墨付き……

兄さんに教えてもらったじゃない。

背筋を伸ばして、前を向く、自分に素直に。

ビクビクしてても始まらない。鏡の前で悩んだって仕方ない。
やれることはやったんだから、これでいい。

スマホを取り出して時間を確認すると9:50だった
早いけど、バックを持って談話室に移る。

いつもより低いヒールでも、今日はすごく頼もしく思える。

あまり人がいない談話室には妙な静けさがあって少しだけ不安になる。
出入口の近くのソファーに腰掛け、フロイドを待っていると思いのほか早く待ち人が来た。

高い背丈を惜しげも無くつかい、長い足を自慢するように履いた黒いスキニーにフロイドのお気に入りのブランドシューズ。

パーカーにスキニーとラフなスタイルなのにいつもよりもかっこよく見える。

フ「ごめん、フラーラまったぁ……？」

こてんと首を傾げるフロイド

『いいえ、私も今来たとこなの』

物語の中でよく聞くセリフが私の口から出るなんて思いもしなかった。

『行きましょう？』

フ「うん、あ、まってフラーラ」

『ん？なぁに？』

フ「今日、いつもより可愛い…オレのために頑張ってくれてありがと」

『え、あ……えと…っあ、あり、がとぅ……///』

フ「んへへ、すきだよぉ」

『へ……？』

フ「？だからぁ、オレフラーラのことすきだよぉって、だから今日のデートオレちょ〜楽しみにしてたんだぁ」

『あ……へ……？す、き？』

フ「うん、すぅき」

『ら、らいく？』

フ「ん〜？Loveじゃね？」

フロイドが、わたしのこと、すき？
らぶ？
らぶ？
Love……？

『え……ぁ……ら、らぶ』

フ「フラーラは、オレのこと好きじゃねぇの……？」

『す、す、すきです……』

フ「えへへオレもフラーラの事だぁいすき」

ぎゅうと抱きしめられ、そのままお姫様抱っこされてしまった。