24匹 ページ30
なんとなく、フロイドと私の間に距離ができた様な気がした。
特に気にしていなかった筈なのに、2日3日と日を追う事に少しづつ心にモヤがかかるような気がした。
それでも単独行動が増えるわけでもなく、フロイドと2人きりというわけでもなく、アズール、ジェイド、フロイド、私の4人で行動が多くなった。
これはこれで楽しい。
ジェイドの収集癖やアズールの努力を近くでみれるから。
でもフロイドとの追いかけっこも好きだった。
ア「ため息ばかり吐くくらいなら話したらどうだ？」
『なんのこと？』
ア「わざとか？さっきからため息ばかりで鬱陶しいんです」
『あら、ごめんなさい気づかなかったわ……』
ア「はぁ……フロイドの事ですか？」
『ええ、まぁ……なんだか、以前より距離ができた気がして』
ア「今でも十分近いと思いますが……まぁ確かに以前より僕たちと過ごすことが増えましたね」
『それも楽しいのよ、アズールたちと話すのも勿論ラウンジもそれ以外も…でも、フロイドが連れて行ってくれるのはまた別なのよ……』
ア「はぁ……恋する乙女の為にこの僕が力を貸して差し上げましょう」
『やぁね、そんなんじゃ』
ア「無くないだろ何年お前たちを見てると思ってるんだ？」
『アズールにまでそんなこと言われちゃ認めるしかないじゃない……でも恋とか番とか分からないわよ……』
ア「今度の休日は2人とも休みにしておきます。2人で何処かでかけてこい小遣いも渡します。」
『え？』
ア「僕からのささやかなプレゼントですよその代わり今日はVIPルームでお願いしますね」
『！！ありがとうアズール！！』
双子より小さな背中に飛びついた。
それでもよろけること無く私を受けて止めてくれた大きな背中。
ア「しっかり働いてくださいね」
『がんばるわ！！』
ギュッと抱きしめれば、手袋をしたまま頭を撫でてくれるアズール。
アズールは人魚たらしだわ！
全然似ていないのにアズールの姿が兄さんに見えて仕方ない。
今日は兄さんに電話をしてから寝よう。
この気持ちも、ユウちゃんのことも兄さんに話そう。
でもその前にひと仕事頑張らなくちゃ
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作者名：涼 | 作成日時：2022年9月8日 18時
