17匹 ページ23
ラウンジが開店してから閉店まで歌ったりギターを弾いたり、フロイドたちと踊ったりして一頻り楽しんだ所でみんなより先にあがり
ジュースの入っていたグラスを触る監督生に声をかけた。
『お待たせしてごめんなさいね、ここじゃ落ち着けないから私の部屋に行きましょう』
と有無を言わさず部屋に向かう。へ
監「あの、ほんとにお邪魔してもいいんですか？」
『いいのいいの、入って！』
監「お、お邪魔します……わぁ……綺麗なお部屋」
『散らかっていてごめんなさいね……あ、適当に座ってちょうだい！今お茶持ってくるわ』
こんなに女の子と話すのは何年ぶりだろう……
こんな所で同性に会うなんて運命は恐ろしいわ……
『お待たせ薔薇の国の紅茶なの、蜂蜜とお砂糖を持ってきたから好きに飲んで』
お茶の入ったカップに蜂蜜を入れながら監督生さんに目をやる
艶のある黒髪をショートボブに切りそろえて大きな目が忙しそうにキョロキョロ動いていて可愛らしい
監「いただきます……ぁ、おいし」
『ふふ、美味しいでしょ？監督生さん…いえ、ユウちゃんもし良ければ、スカートの制服要らない？』
監「え……？」
『対価とか要らないわ、私はあまり履かないしもし、良ければ貰ってくれないかしら？』
監「い、いいんですか……？スカート……履いてもいいんですか？」
『私はあなたと違って魔法が使えるわ、でも、あなたと一緒の女の子よ、なのに、私もここにいるわ女の子らしくしたかったらすればいいのよ
あなたは来たくてここに来たわけじゃないんでしょ？』
監「わ、わたし……この世界にきて……不安で、しかも、男の子しかいなくて……ずっと男の子のフリしなきゃいけないのかなって思ってて……！」
静かに泣き出す小さな女の子。
『あなたは堂々としていればいいのよ 女だからとか、魔法が使えないとか関係ないわ 使えるものは何でも使いなさい。この国は女性を守り敬う文化が根強いの、だから堂々としていればいいの』
近寄って彼女の肩を抱いて頭を撫でる
ずっと溜め込んでいたのか泣いて泣いて…泣き止んだ頃には紅茶はすっかり冷たくなっていた。
監「すみません……何から何まで……」
冷やしたタオルを目に当てながら小さくなるユウちゃん
『気にしないで！それより、私も嬉しいのよこうやって女の子と話すなんてしたこと無かったから』
監「え？そうなんですか？」
『そうなのよねぇ……あ、今日泊まってく？』
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作者名：涼 | 作成日時：2022年9月8日 18時
