16匹 ページ22
あの後アクセサリー作りは監視付きになった為完成までに3日もかかってしまった。
淡いライトブルーの魔法石を中心にハリのある黒いレースを花弁にみたて、細かいカットの入った極小ビーズがレースの花弁を輝かせる。そこから垂れ下がるシルバーのジャスミン。
中々いいと思う。
少なくとも私はかなり気に入っている。
ただ問題は……
『似合わないわねぇ……』
青いワンピースの胸元に付けている完成したばかりのアクセサリー。
『色味かしら？そもそもデザインかしら……？』
綺麗で可愛い
けれど似合わないと思う。
このアクセサリーだけ浮いているようなしっくり来ない感覚。
『誰かに譲りましょう。それかバラして別のもに…』
フ「フラーラぁ？そろそろラウンジの時間なんだけどぉ」
ドア越しにフロイドが声をかけてくれた。
『今行くわ！！』
軽く化粧を直してワンピースとヒールのままラウンジへ向かった。
月に1度のサプライズ。
4人でのセッションの日はおめかしをしたくなる。
アズールがピアノを弾いてジェイドはベースでフロイドがサックス。 私はボーカルかギター
フ「フラーラ今日すんげぇかわいいね」
『ありがとう！久しぶりのセッションですもの！』
フ「あ、今日小エビちゃんも来るって言ってたよぉてか、オレがチケットあげたんだよね」
『小エビちゃん？』
フ「えーと、かんとくせー？エビみたいでかわいーんだよねぇ」
『あら、あのお噂の……なら張り切らないとね』
ラウンジに入ると寮生が私たちの代わりに支度をしてくれていた。
「あ！ブルビー！！今日は頼んだぞ！！」
『もっちろん！任せときなさい！その代わりソッチは任せたわ！！』
「おう！」
同じクラスの寮生達と似たような会話を何個かしていると後から声をかけられた。
『はぁい？』
ゆっくり振り返ると、男子の制服を着たとても可愛らしい子。声も高くてとても男の子には見えない。
『あら、可愛いお客様ね初めましてフラーラ･ブルビー2年よろしくね？』
監「は、初めまして！フロイド先輩のお誘いで…えっと！1年のユウです」
凄い勢いで頭を下げたこの子
耳の近くで小声で『貴方女の子よね？』と聞くと小さく頷いた。
『こんな可愛い後輩ができてとても嬉しいわ！今日はどうぞゆっくりしていって！あと、閉店まで残っていてくれると嬉しいわ女の子と話なんて出来なかったから』
監「！！はい！！私も！こんな綺麗な人が先輩で嬉しいです」
彼女の潤んだ瞳がとても綺麗だった
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作者名：涼 | 作成日時：2022年9月8日 18時
