気まぐれウツボとネコザメちゃん (ページ18)

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メインストリートの噴水に腰掛け如何にも不機嫌ですオーラを出すウツボの姿。

僕の隣を歩いてる片割れのウツボはのんきにキノコ図鑑を腕に抱えほくそ笑んでいる。

思わずため息が漏れる。

放っておく訳にもいかない為ジェイドを連れて不機嫌モードのフロイドの元へ足を進める。

何があったか大体予想はついている。
隣にフラーラが居ないのが何よりの証拠。喧嘩でもしたんだろう。

「こんな所で伸びて制服が汚れたらどうするんだ？」

チラリとこちらに向くオッドアイの瞳

フ「アズール……」
ア「どうせフラーラと何かあったんでしょう」
フ「……うん……」

こういう時のフロイドはいつにも増して幼く見える

フ「フラーラが……金魚ちゃんの所に行こうとしてた……オレ、怪我して欲しくなくて止めたけど…フラーラの腕……握ったら赤くなっちゃって……」

ポツポツ何があったか語りだし、仕舞いには涙まで流すフロイド

ジ「そういえば、リドルさんがオーバーブロッドしたと聞きましたね……」
フ「うん……教室で轟音聞いて……フラーラが教室飛び出そうとしたから……」
ア「フロイドは何も間違ったことはしていませんよ。寧ろ正しい判断だったと思いますよ」
フ「オレ……フラーラに怪我させるつもりなかった……」

フラーラの尾びれの傷は見たことがある。
昔1度ジェイドから軽く聞いた。

ア「いつも通りにただごめんと謝ればいいんじゃないか？そんな事をグチグチと考えている奴じゃないでしょうフラーラは」

フロイドの髪をガシガシと撫でてやれば「オレ謝ってくる！！」と言ってどこかに走り出した。

フロイドがフラーラに執着するのは昔のことを引き摺っているだけだと思っていたが……アレは違うのかもしれないな……

ア「にしても、お前の片割れは過保護すぎないか？」
ジ「アズールはあの事故のときは居ませんでしたからね…フラーラが怪我をしてから目覚めるまで約1年近く眠ったままだったんですよ。
僕たちがアズールと出会ったのはフラーラが眠っている間でした。
フロイドにとってはトラウマなんだと思います…」

双子の片割れよりもフラーラと行動するのはそういうことか……

二度と失わないように、欠けてしまわないように

ア「フラーラも護られてばかり娘じゃないだろ」
ジ「フフフ可愛らしくても鮫ですからね」