気まぐれウツボとネコザメちゃん (ページ17)

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教室のいつもの席でうたた寝をしていたある日。

いつも以上に騒がしいクラスメイトたちと明らかに人数の少ないハーツラビュル寮生。

さほど気にも止めないで開けた薄目を再び閉じかけた時。轟音と禍々しい魔力。

ガバリと伏せていた状態を起こし、周囲を見渡す。教師は不在、不安と緊張、中には魔力に当てられてかパニックを起こす生徒。

魔力は恐らくロゼのもの。
となれば場所はハーツラビュル。
オーバーブロッドともなれば命の危機さえ考えられる。魔法士にとって1番近しく1番恐ろしいもの。

「ダメ」

強く握られた左手
警戒の色を濃くにじみ出し私の左手首を握る。

フ「金魚ちゃんのとこ行こうとしてるでしょダメ」

『こんなに魔力を放出させていい訳ないじゃない！フロイドにも分かるでしょ！？』

フ「わかってる！！だから行くなって言ってんじゃん！？今行って何ができんの？巻き込まれるだけ」

『それでもロゼが手遅れになってからじゃ遅いじゃない！！！！』

フ「金魚ちゃんとフラーラが仲良いのは知ってる！！でもその仲いい女の子を傷つけた金魚ちゃんの気持ちフラーラは考えてんの！？」

『ッ！！分かったわ……行かない……』
フ「ありがとう……」

しばらくして轟音は治まりクラスメイトも落ち着き始めていた。

ただフロイドとは重い空気が漂っているまま時間が過ぎた。
ほとんどの時間を普段なら共有し一緒に行動するでも今日は一緒に居たくない……
気まずい空気のままフロイドからそっと離れた。

フラフラと植物園を歩いてるとお昼寝中のレオナ先輩。

近くに寄って膝を抱えて座ると盛大なため息をつかれた。

レ「いつものウツボはどうしたお嬢サマ」
『私だって1人になりたい時くらいあります……』
レ「はぁ……昼寝の邪魔したら食うからな」

腰に腕を巻き付けられて再びレオナ先輩は眠ってしまった。

フロイドとは違って温かい体温とふわふわの髪
植物園の暖かさも相まって眠くなり私もそのまま寝た。

はぁ……世話のかかるお嬢サマだな
第2王子を枕にするとは……