気まぐれウツボとネコザメちゃん (ページ2)

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まだ私がエレメンタリースクールの頃
私にとっては退屈で平和な日常。

そんな日常をその長い尾ひれで力強く叩き壊されるまでは…

いつも通りに退屈な授業を寝ながら聞き流し、授業が終わって皆が家に帰り始める頃、欠伸を1つこぼして寝に入る。

一緒に帰る友達はいないし、ほしいとも思わない。

関心や興味がないわけではない。けれど話しかければこの瞳をみて怖がってしまう人魚が多い。
慣れていない人魚たちからすると温度がなく冷たい印象になると言われた。

そんなことを一々気にしていたらキリがないからいらない。
大事な家族さえいればそれでいい。

暫くして目が覚めた。
伏せていた顔を上げると同じ顔のウツボが2匹いた。

まだ寝ぼけているのかもしれない、もう一度寝ようと顔を伏せた時、ウツボの1匹が声を上げた。

フ「あー！なんでまた寝ようとすんのぉ！」

あまりの声量に耳を塞いだ。

ジェ「こらこらフロイド大きな声を出してはいけませんよ」

そう言いながらニコニコ笑ってる…

『何？あなた達…まだ帰らないの？』
他の人魚はとっくに帰りクラスには私たちしかいない。

フ「お前こそ帰んないの？」

ジェ「もう暗くなり始めていますよ？」

『兄が迎えに来るの』
だから早くあなた達は帰りなさいよ

フ「へぇー、なら俺も待つ〜」
ジェ「おやおや」

そう言いながら私の周り群がる2匹

フ「授業いつも寝てるくせにテスト満点ってホントなのぉ？」

誰から聞いたんだか

『聞き流してるだけよ』

ジェ「羨ましいですね、その記憶力」

『それよりあなた達の名前が知りたいわ……私はフラーラフラーラ･ブルビー』

フ「おれフロイドぉ」
ジェ「僕はジェイド･リーチです」

『そう、じゃあ私は帰るわね』
鞄を肩にかけそう言った。
フロイドの顔が不機嫌そうに歪む。

フ「はぁ？まだ迎え来てねーじゃん！」

私は小さく息を吐いて何も言わず2人の後ろを指さした。

2人よりも大きく、私よりも深いブラウンの髪に同じアイスブルーの瞳。
私の敬愛する兄シャルル

2人の間をすり抜けて兄さんの元へ行くと、兄さんはニコリと優しく微笑み私の髪を撫でてくれた。

兄「妹がお世話になったみたいだねありがとう。この子はあまり友達が居ないから、心配してたんだ。仲良くしてやってくれると助かるよ」

そう双子に目線を合わせて優しい声色で伝えた。

ジェイドも胡散臭い笑顔を剥がし、フロイドは嬉しそうに喉を鳴らしていた。
小さく手を振って兄の後を着いた