契約者が謎。 (ページ3)

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バルトロッツィ家の一人っ子ページ3

私は…チェルクェッティが大嫌いだ。
私も同じくらいなはずなのに…どうして皆あのピアノが好きなの…？
私のバイオリンも自信あるのに！！
家の取材もどうせついでなんだ…！
あの時両親に言われた通りピアノに変えればよかった…？
いや、そんなんじゃ勝ち目がない。
こんな時相談を聞いてくれる人なんて…
でもAは何もわかってくれない！！
一体どうしたらいいの…。

足音が、遠くから聞こえて来る。
誰か来る…？

「大丈夫かい？」
「！…バロウズ市長」
「どうしたんだい？こんなところで」
「実は…」

言っていいの？
こんなこと。
もしお母様やお父様にバレたらどうしよう。
チェルクェッティにも聞かれるかも…
そんなことを自分に言い聞かせる。
けど、それは話し始めた後だった。

…でも、市長の一言でメアリスの言葉は止まった。

「悪魔……？」
「あぁ。悪魔と契約したら、一つだけ願いが叶うんだ。」
「…でも…、悪魔との契約は犯罪で……」
「悪魔と契約すればその犯罪だってどうにでも出来る。それに、私と君以外には絶対にバレない。」
「…っ……でもっ…」
「もし契約したかったら今日の午前2時半に、ひとりで港のそばの廃ビルに来るといい。」

-

「市長、あれでは来る確証が無いのでは。」
「あってもなくてもいい契約だ。別にいいだろう？」
「廃ビルの屋上で待っている私の気持ちは…」
「感情無いって言ってたよな」

(契約する悪魔を用意しないとな…)
「おいシビラ。悪魔はノエルと一緒でいいか？」
「はい。準備しておきます。」