私の恋敵が太宰さんな件【文スト】

4話 ページ5

中也さんの執務室に連れて来られた私は、彼の携帯の結晶画面をつきつけられている。


「これはどういう状況だ？あ”ぁ？」

『………』


写し出されていた写真は、私と太宰さんが写っているものだった。
身に覚えのない写真だったが、今注目すべきところは其処ではない。


「マイハニーって何時から手前等はそう云う仲になったんだ」

『私もあの人をマイダーリンなんて云う仲になった記憶がないです』


先刻の喫茶店で撮った様な写真。
私は太宰さんの頬に指を指し、太宰さんは自撮りをしている。


「つかこれ先刻だろ、仕事中にデェトとはいい度胸だな、姐さんに云いつけんぞ」

『確かに先刻ですけど、デェトではないですし、唯の誘拐ですし。
　それに其の写真合成です、あの人の事だから本物に凄い近いですが、よく見たら掠れてます…』


中也さんが私に質問攻めしてくるが、私も負けじと弁解を委ねる。
と云うか合成上手すぎだよね、その辺のプロ以上だよね。
と云うか其の前に何時撮った。


「…あ〜、もうッ！青鯖の奴……！」


中也さんも中也さんで、太宰さんの質の悪い悪戯に引っ掛かりやすい。
頭を抱えて唸っている。


『……お分かり頂けましたか？』

「クッソ…嗚呼、彼奴が鬱陶しくて邪魔してくるのは分かった。
　だが、A、彼奴も男だ。何人泣かせてきたかも分からねェ。
　あんまりホイホイ着いていくなよ？」

『気を付けます……』


鬱陶しいって……太宰さん嫌われちゃってますよ？何、これも計画通り？

と云うか中也さんでさえ太宰さんが泣かしてきた女性の数分からないんだ…。
ホイホイ……貴方だったら行ってしまいそうです。


「…あ、誘拐されそうになったときに、逃げる方法を教えとく」

『…？あ、ありがとうございます』


誘拐されたとき？マフィアだったら撃退法と云うか其の前に声掛けてきた瞬間ぶっ飛ばすのでは？

すると中也さんは真顔で、


「彼奴が今迄泣かせてきた女の名前を一から云っていく」

『何気に心痛むヤツ』

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