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2、時に太宰は ページ21

中也さんと付き合うことになってから、早2週間が経った今日。
私は再び、喫茶店にて太宰さんに誘拐されていた。


『…………』

「うん、謝るからそんな死にそうなぐらい厭な目をぶつけないで」


目で訴えると、私の云いたいことに気づいて謝ってくる。
謝った処で解決はしないのだが。


『はぁ……まぁ今日は仕事午後からだから構わないんですがね』


然し誘拐されるなとあれほど云われたので、此が若し中也さんに知られたら私はどうなることやら。
………何か厭な予感しかしないこの恐怖よ。


『……で、何の用ですか?』

「いやぁ、其れがねぇ……」


珈琲カップを机に置き、其の儘目を伏せる太宰さん。
すると、口角を上げて、低い声音で云った。


「一寸全部のネタバラしといこうかと」

『え』


ゾッと背筋が凍った。
何だ、この威圧感は。

すると突然、腕を掴まれたと思うと、其のまま私の後頭部に手を回して引き寄せた。


『…っ、な、何するんですかっ?!』

「あれ、未だ分からない……?」


不適な笑みを浮かべる彼は、何時もの様なお茶らけた雰囲気は残ってなかった。

鼻と鼻が中って、彼の吐息が私の唇に伝わる。


『……貴方、中也、さ、んじゃ…………?』

「Aちゃん、時に狼はね___





 ____ミステリアスなのだよ?」


声が出なかった。
厭なのに、怖いのに、全然声が出ない。

扶けて、中也さん___


「……おい手前太宰、何の茶番だ」

『……………ぁっ』


上から声が掛かってきた。
目を上に向けると、心底不機嫌そうな顔をした中也さん。


「あー、中也来ちゃったの?
 折角あともう一寸だったのに………」

「あと一寸もクソもあるか莫迦。
 それとAも撃退法と注意換気しといたろ」

『ご、ごめんなさい………』


パッと離れる後頭部に回った手。
解放感が私を包んだ。

目の前では、中也さんと太宰さんが話している。

其れにしても、先刻の太宰さんは、一体何だったんだ?
太宰さんは中也さんの事が好きな筈なのに、何か濁してたけど私の事…………


「何でAに手ェ出した?」

「さぁ?何でだろうね?
 勿論、君の事も好きだよ?」

「安心しろ、俺は大っ嫌いだ……じゃなくて」

「まぁ、云ったでしょう?
 "ミステリアス"、其れは私にしか分からない変事実なのだよ……」


結局、どういう事かはわからなかった。
けど、太宰さんは"時に"ではなく"何時でも"ミステリアスだと思う。

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博識のうさぎ(仮)(プロフ) - いちごーやさん» ありがとうございます!私も中也さんは好きなので書いてて楽しかったです! (2018年5月14日 22時) (レス) id: f6bf850175 (このIDを非表示/違反報告)
いちごーや(プロフ) - おもしろかったです!自分中也大好きなので嬉しいです (2018年5月14日 18時) (レス) id: 31569d9530 (このIDを非表示/違反報告)
博識のうさぎ(仮)(プロフ) - 紅奈さん» 太宰さんは謎が多いままですね……全部早めに解いていかないとです!大丈夫ですよ、伝わります! (2018年5月14日 7時) (レス) id: e5b267ef9c (このIDを非表示/違反報告)
博識のうさぎ(仮)(プロフ) - ゆうゆ@かじゃらぶさん» ありがとうございます!こんな駄作応援していただけて嬉しいです! (2018年5月14日 7時) (レス) id: e5b267ef9c (このIDを非表示/違反報告)
紅奈 - 文章がおかしいと言われたのでもう一度 太宰さんは中也さんと夢主ちゃんの両方が好きであってほしいという事です 何度もスミマセン (2018年5月13日 20時) (レス) id: c831905666 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:博識のうさぎ(仮) | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年5月13日 10時

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