1、出会い ページ19
「おい、答えねェのか」
『っ………!』
腕を掴まれ、其のまま立ち尽くしてしまう。
何、この人。小柄な割りに力が異常に強い。
私は返り血がこびりついた服を握る。
……こんな服着てたら、誰でも疑うよね。
『っ、す、すみません!』
「あ、ちょっ!」
彼の手を振り切り、走ろうとした。
すると後ろから舌打ちが聞こえたかと思うと、肩を掴まれる。
「…………異能が効かない?」
『え、あ………え?』
この人、今異能と云ったか。
私と同じ、人智を超えた人間。
私に異能が通らないのを、不思議と思ったのか、彼は幾つか質問をしてきた。
「手前、どんな異能だ?」
『………答える必要はないと思われます』
「残念だな、なら殺す迄だ」
ハッと嘲笑う帽子の彼。
なんて軽々しく、殺すなんて云うんだろう。
私は身の危険を感じ、渋々答えた。
『……私の異能力、『門』は、異能を跳ね返す。
場合によっては、発動者に異能が返ってくる。』
そして最後に私は付け加えた。
__『私の異能に例外はない』
すると、彼は一瞬目を見開いた。
そしたら、帽子を深く被っては、再び舌打ちが聞こえてきた。
「ハッ!……異能が太宰と似ていると思えば、其処も太宰と一緒か」
頭が痛くなってくるぜ、と一言溢す。
初対面の相手に其は失礼じゃないか?
そんな事を感じていると、突然、彼は私に手を差し出して来た。
「手前、生き場所に困ってるだろ?」
間違いではない。だって、その為に此処まで隠れて歩いているの
だから。
私は、そっと静かに頷く。
「俺はつい先日、相棒が行方不明になって困っている。
___助けてくれねェか?」
彼はニヤリと口角を上げた。
助けてくれ、とは、きっと彼が今困っている事に対して、私が埋められる事なんだろう。
『……ええ、構わないですよ』
私も笑い返した。
少々上から目線なのは仕方がないだろう。
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博識のうさぎ(仮)(プロフ) - いちごーやさん» ありがとうございます!私も中也さんは好きなので書いてて楽しかったです! (2018年5月14日 22時) (レス) id: f6bf850175 (このIDを非表示/違反報告)
いちごーや(プロフ) - おもしろかったです!自分中也大好きなので嬉しいです (2018年5月14日 18時) (レス) id: 31569d9530 (このIDを非表示/違反報告)
博識のうさぎ(仮)(プロフ) - 紅奈さん» 太宰さんは謎が多いままですね……全部早めに解いていかないとです!大丈夫ですよ、伝わります! (2018年5月14日 7時) (レス) id: e5b267ef9c (このIDを非表示/違反報告)
博識のうさぎ(仮)(プロフ) - ゆうゆ@かじゃらぶさん» ありがとうございます!こんな駄作応援していただけて嬉しいです! (2018年5月14日 7時) (レス) id: e5b267ef9c (このIDを非表示/違反報告)
紅奈 - 文章がおかしいと言われたのでもう一度 太宰さんは中也さんと夢主ちゃんの両方が好きであってほしいという事です 何度もスミマセン (2018年5月13日 20時) (レス) id: c831905666 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:博識のうさぎ(仮) | 作者ホームページ:
作成日時:2018年5月13日 10時