�将� 刑戮を零れた果汁 ページ37
刑戮を零れた果汁
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けいりくをこぼれたかじゅう
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酷い喉の乾きを感じて、目が覚める。
目覚めた瞬間に、私は ああやってしまった。と自分の現状を理解して頭を抱えた。
くるりと視線を回して自分の状況を確認。ベッドに横になっているようだ、ここは私の宿じゃない。1度経験しているから直ぐにわかった。
ここはローの部屋だ。
少し頭を傾けて横を見ると、やっぱりそこにはローが居た。
けど前とは違って、私が寝ているベッドのすぐ側に椅子を置いて座っている。腕を組んで目をつぶっていた。
どうやら、眠っているみたい。
体を起こし、自分の体を見渡す。少し布団をめくって左足を見ると、綺麗に包帯が巻かれていた。
嗚呼、本当にいちばん最悪な状況になってしまったなぁ、と理解した。左足は何故か未だに酷く傷んでいる。
じっと見つめたローに触れてしまったのは無意識だった。すぐ隣にあるローさんの顔を覗き込んで、頬に手を滑らせる。
彼に前、一度されたように、私もローの髪を掬って耳にかけるように髪を撫でつけた。…彼が何を考えてるかが全然わかんない。とそう思ってたら
ぱし、と私の手が掴まれて、
「なんだ、寝込みでも襲ってくれるのかと思ったじゃねぇか」
ローの低い声が私の鼓膜を揺らした。
「起きてたん、ですか」
「いや…今起きた」
目覚めて開口一番で怒られたらどうしよう、と何故かびくついてしまったけれど、意外とローは普通そう…？で、ほっとしたもの束の間。
何故かどくん、と心臓が大きく音を立てて、その瞬間、私は一際大きい喉の乾きに襲われた。
口と鼻を手で押さえて、ローさんから距離をとる。思ったより近くにいたせいか、ふわりとローの匂いがして、それが、酷く甘くて美味しそうな良い匂いに感じた。…これも吸血鬼の実の能力のせいなのか。
身体がじわりと熱くなって、息が上がる。火照っているようだった。頭がぼんやりして、くらくらする。これは、たぶん飢餓状態だ。
なんでだろう、とか考える余裕無くて、答えを求めてローを見る。と、彼は驚いたように目を見開いていて、その後少し呆れたようにはぁ、とため息を吐いた。
「…てめぇガキの癖になんて顔してやがんだ」
どういう意味か分からない。けど、私は荒く息をすることしか出来なくて。
嗚呼、だめだ。ローに今すぐ噛み付いて、血を＿＿＿＿。
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作者名：幸せうさぎ | 作成日時：2023年2月11日 3時
