名を付けるならなんと呼ぶ Ⅱ【ONEPIECE】 (ページ21)

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がつん、というよりも、ごぉん、というおよそ蹴る音では無いような音が響く。
流石にこれほどの相手に手を焼くほどAは弱くなは無い。けど、

ぱさり、と羽織っていたフードが落ちる。
……ローブがボロボロになっちゃった。

体格を隠すために着ているローブは、かなり大きめのサイズだ。それでも元の体格が小さいせいでパトーネには「チビ」と呼ばれたけど。
このローブの中で体を捻れば弾丸を避けることが出来るのだから、かなり役立ってくれたと思う。

もう役目を成していない。仕方なくローブを脱ぐ。

「……あれ」

その時、ウエストポーチのベルトがちぎれていることに気付いた。弾丸が掠ったらしい。
かなりギリギリのところで避けられていただけで、危なかったことがわかり、内心冷や汗が垂れた。

まぁ無事倒せたのだから問題ない。そう思いなおして気絶しているパトーネに近づく。

そしてAは、ウエストポーチから注射器を取り出して、パトーネから血液を採取することにした。

気を失って力の入っていない人間から採血することは難しくて、仕方なくナイフで傷を付ける。
なるべく手際よく、試験管3本分の血液を頂いて、ふうとAは安堵の息を吐いた。

これさえあれば、明日からも大丈夫だろう。
もう1.2日したら飢餓状態になってしまうと思って少し焦っていたのだ。昨日と今日は、体も能力もかなり酷使しすぎている。

ウエストポーチに注射器と血液入りの瓶をしっかりと入れ、ちぎれてしまったベルトを伸ばしぎゅっと結ぶ。

ロー大丈夫だろうか、と考えながら、元いた倉庫へと早足で駆け出した。