名を付けるならなんと呼ぶ Ⅱ【ONEPIECE】 (ページ11)

今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:27,612 hit

．ページ11

そうして、ローとAが辿り着いたのは資料室のような部屋。その部屋の扉がある廊下の前だけ、監視の巡回全員が通る。怪しさは折り紙付きだった。

監視の隙を着いて入った部屋はいくつか机が並んでおり、書類が乱雑に積まれている。

お互い無言のまま目線を交わし、そのまま中の捜索を始める。
Aは、いくつかの資料を物色し、次に何か名簿のような物を手に取った。それを見て、ぐっと息を呑む。

驚くほど簡単に、Aが求めていた情報のひとつが出てきた。そこに書かれていたのは“裏のビジネス”の取引内容。

ローも何か同じように証拠になる資料を見つけたのか、目を細めて血色の薄い唇を歪めていた。
ふいに目線が交差する。

ここは矢張り、“アタリ”だった。
ローが近付いてきて、私の耳元に顔を近づけた。

「何を見つけた」

ぽそり、と呟かれた息を多く含むローの声。

「商品リストです。…人身売買の。」

「ようやく、当たったようだな」

「………」

「それにしても人身売買、か」

そう言ったローさんが何を考えているのかは分からない。

私とて、その可能性があると言うことはちゃんと計算に入れていた。

大々的に発表出来ない、その上、王族が飛びつくほど儲かるビジネスなんて時点でその内容は自ずと絞れる。兵器、武器、薬、情報、…そして人間。