名を付けるならなんと呼ぶ Ⅱ【ONEPIECE】 (ページ5)

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眼前に立つ人が視界にAを捉える。
脳に伝達が行って、認識する、その前に。
真っ直ぐ脚を蹴り出した。正確に、1.3m。

繰り出されたAの蹴りはノーガードで呆けた顔をしていた敵の顔面に見事に当たって、ぱたりと静かに床に倒れる。

隣ではローAと同じように、もう1人の意識をちゃんと奪っている。
刀を鞘へと収めるとAの方に振り返り、それはもう至極嬉しそうに。
瞳に喜色をたたえてニヤリと笑った。

また、だ。
捕食者の目、狼のように、ぎらりと光る。

「A…テメェはホントに従順で“いい子”だな」

完全に、それは悪事を企む人の顔だろう。
どっちが悪人か分かったもんじゃないな、とAは思って、顔を顰めておく。

「………こういうことは、もっとちゃんと説明してからやって下さい」

「その割にはちゃんと反応出来てるじゃねぇか」

正直、まだ何が起こったのかよく理解していない。
ただ分かるのは、私達が気絶させたこの敵は、先程私が感知した見張りだろうということ。
そして、敵が突然私の前に現れたのでは無く、
私が、その敵の前に現れたのだということ。

瞬間移動……違う、あのドーム状の空間…。
何か手で操るようなジェスチャーもしていた。
ルーム…部屋……シャンブルズ……

てっきり、ローの能力は透視系なのかと思っていた。
戦闘向きでは無いから使わないのでは無く、温存していたということだろう。
能力の見当は、手持ちの情報じゃまだ確実な推測は出来ない。