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「っ……！！！」
「はは、たった2人でここまで来るなんてとんだ阿呆もいたもんだ。てめぇらも今日の“商品”にしてやるよ！！！」
お前ら！！やれ！！！
そんなアシュロフの掛け声で、一斉にその場が混沌となる。戦々恐々としたその空気の中、
「おいA、ちゃんと主人の命令通りやれよ」
それだけ告げて、ローはアシュロフの元へと一瞬で距離を詰めて行った。
周囲を見渡して舌打ちをした。
もう、とにかくローの言う通りだ。
考えてる暇なんかない。
Aはさっきアシュロフに蹴飛ばされた子供の元に駆け寄った。
気を失っているけれど、息はちゃんとある。
その子を抱え、とにかくその場にいる人達を逃がさなきゃ、と仕方なく声を上げる。
Aの声はまだ女の子供のそれだから、あまり声は出したくなかったのだけれど、そうも言っていられない。
「ここに居たら危ない。すぐに逃げて！！」
何が起こっているか分からない、といった調子で座り込んでいた人達を立ち上がらせて、出口を示す。
「貴方達は買い手が決まってる。殺すことは奴らも避けるはずだから、とにかく巻き込まれて死なないように自分の身を守って！」
この子をお願いします、と気を失っていた子供もその中の1人に預けて、辺りを見渡す。
ローは既にアシュロフと交戦中で、しかもその周りを部下の海賊達が囲っているという状況だ。
その中でも上手く立ち回っているのだから感心してしまいそうになる。
見蕩れてしまう程無駄のない動きだった。
＿＿＿＿能力の出し惜しみはしない方が良いか。
私はそう判断して、直ぐに臨戦態勢に入る。
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作者名：幸せうさぎ | 作成日時：2023年2月11日 3時
