名を付けるならなんと呼ぶ【ONEPIECE】 (ページ30)

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ふう、とゆっくり息を吐き出した。
カップをベッドサイドのテーブルに置き、足を床へと下ろす。
側まで来ていたローとの距離が縮まって、見上げる首が痛い。

ご馳走様でした、治療費は後日渡しに来ます、と告げる。Aの出した声に温度はなかった。
結構と言われた治療費を払うと言ったのがこれ以上関わるなという意味であることをローは理解しているだろう。

そんな拒絶も無視して、ローは「まぁ焦るな」と呟く。

「賢く立ち回れよ、感情的になるな」

これは確実に皮肉だ。そう分かっていても、Aは足を止めざるを得ない。

「手前の利益だけ考えろ、俺は何も見返りを求めてるわけじゃねぇ、上手く利用してくれればいい。」

何を言いたいか察して、「随分と優しいみたいで」と返すと、ローは満足気に笑んだ。口の端をほんの少し上げて、目を細めている。

「俺には俺の目的がある。同情や好奇心で首を突っ込んでんじゃねぇよ。ジョーカーという闇のブローカーには俺も用があるんだ。
手前なら分かるかと思って提案をした(・・・・・・・・・・・・・・・・)迄だ。
何も馴れ合おうって訳じゃねぇ。この国での目的を達成する迄手を組むってのはどうだ。」

大層満足気な顔でそうローは提案した。
ドライな口振りの割に、負けず嫌いらしい。