名を付けるならなんと呼ぶ【ONEPIECE】 (ページ16)

今日:9 hit、昨日:29 hit、合計:61,489 hit

．ページ16

＿＿＿＿…

おそらく彼女は馬鹿じゃない。

まだ幼さの残った顔立ちをしているが、目を覚まし、自分の理解できない状況に身を置かれていても煩く騒ぐ事もせず、冷静に自分と周囲の状況を確認していた。
そしてその結果、きちんと正しい答えを導き出し、その上お礼を述べたのだ。

その判断力と思考の速さは賞賛に値するものだ。とローはそっと感心した。
彼女はただ自分の状況を楽観的に把握し能天気にお礼を言ったわけじゃないだろう。

ローの存在に気付いた瞬間は年相応の幼い女の子らしい悲鳴を上げたが、その刹那、ゆるりと不自然を感じさせない動きで視線を動かしていた。

おそらく、すぐに彼女は俺との間合いを測り、窓と扉の位置に一瞥をくれて逃走経路の確認をしたのだろう。

目の前に立つ見知らぬ男＿＿しかもローは警戒心を隠しもせず、態とらしく、牽制するような眼差しを向けている。
そんな人間に相対しても臆することなく、ごく自然な様子。だが決して無警戒ではない。気を許した訳では無いという事はすぐに解った。

その証拠に、ゆったりとベッドの上に座っているようにも見えるが、体はしっかり起き上がり、四肢に力も入っている。例え今俺が切りかかったとしても、簡単に避けられるだろう。