名を付けるならなんと呼ぶ【ONEPIECE】 (ページ14)

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そうして、わりとかなりの量の血を飲ませたと思う。サッと己の手首を止血をしながら女の様子を見る。

…ふん、なんだ

ただの気まぐれと思い付きで血を飲ませて見たものの、その少女が目を覚ます気配は無い。
血を飲ませれば何か変化が起きるのかと思ったのだが、どうやら見当違いだったか。

我ながらおかしな予測で変な行動をしてしまった、と溜息を吐いた。

とんだ無駄骨だ。そもそも、女が目を覚ましたところでなんだって言うんだ。俺だって、まだ旗揚げしたばかりだが一応海賊。もしこいつが賞金稼ぎだったら、俺まで命を狙われかねない。

余計な騒ぎに首を突っ込むのは辞めよう。
自分の痕跡は全て消して、この場を早く去らなければーーー。

立ち去ろうとした足を1度だけ止めて、一応、最後に女の様子はどうだろうか、とそう思いもう一度Roomを起動しスキャンを行った。そこで気づいた事実に、深く眉をひそめた。

傷が、塞がっていたのだ。

先刻俺は同じようにスキャンでコイツの体内と外傷部をちゃんと見た。その時は、弾丸も体内に残ることなく貫通しており、腹部にぽっかりと穴もあいていたのだ。

なのに今は、その穴が、修復している。
その他の体内の外傷や細かい傷などはまだかなり残っているが、致命傷になるぽっかりと肝臓に空いた穴は殆ど塞がっていた。

それがコイツの能力なのか。
俺が飲ませた血の影響なのか。なんなんだ。

目の前で起きた不思議な現象に、好奇心が駆り立てられるのが分かる。

「……こいつァ面白ぇ」

最初はほんの気まぐれだった。
わざわざ避けられるはずの弾を、子供を庇い避けなかった野郎がどんな面をしてるのか気になった。それだけだ。

だが近づいた時に奴が発した意味深な発言。
そしてフードをとった時に現れた顔。
この歳で、あれ程の戦闘能力。
その上、絶対に人間では無い治癒能力。

……面白い拾い物をした。

そう、ニヤリと笑った。