名を付けるならなんと呼ぶ【ONEPIECE】 (ページ11)

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特に理由もなく、ローはそれを眺めていた。
暫く歩いた後、ぐらりとその細い体が揺れて。
近くの壁にもたれ、ずるずると落ちていく。

……さっきの銃弾が致命傷だったか。

せっかくここから面白い展開になることを期待したのに。

つまらねぇな、と息を吐く。
その場を直ぐに去ろうとしたが、フード野郎が何者だったのか少しだけ気になった。

あの速さ、あの動き。かなりの……いや、相当な手練だと感じた。単純な筋力などでは賄えないような速さにも感じた。
それに、この暗闇の中、あの一瞬で正確に健を切るなんて芸当、普通ならばできるだろうか？

ソイツがどこの誰なのか、せっかくなら死んだその面を拝んでやろうかと、フード野郎に近づく。と。

「…………だれ、か、おねがい」

「っ！」

絞り出された声は、女の声だった。フードで顔は見えないが、まだ意識があったらしい。俺の存在に気づかれたか……？

即座に臨戦態勢に入る。が、それに対するその女の反応は無く、
目は開いているものの、目の前に立っている俺を視界に捉えている様子もない。恐らくもう視界も機能しない程の重症で意識を失う寸前なのだろうと察する。その時。

「……血を、……吸わせて……」

「……は？？」

聞こえたあまりに突拍子も無い女の言葉に、つい声が漏れてしまった。