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そして、また背景にすっかり馴染んでその電伝虫の存在をすっかり忘れていたある日、
久しぶりの有人島に上陸し船員達が出払っている中、ふと廊下を通りかかった俺は、初めてその音を聞いたのだ。
ぷるぷるぷる。ぷるぷるぷる。
静かな船内に響いた電伝虫の音。ホントだ、これ鳴るんだ。と驚いて無駄に喉が渇くような感覚を抱く。初めての出来事に、真逆シャチやペンギン、船長もいない時に遭遇してしまった。
ぷるぷるぷる。ぷるぷるぷる。
真逆自分がこの電話を取らなければならない時が来ると思っていなかったので、油断していた。こんなことならばもっと電話の相手が誰なのかとかシャチに聞いておけば良かったなぁ、なんて思いつつ、少しの躊躇い。
ぷるぷるぷる。
が、出なかった事がバレる方が圧倒的に怖いな、と即座に考え直し、俺はその受話器をとった。
がちゃ。
あ、何言えばいいんだっけ、えっと、海賊って名乗っていいんか？やべ、シャチなんて言ってたっけ、
「あー、えと、……………………もし、もし」
時間空けて結局もしもし、ってなんだそれ。
なんかテンパりすぎて間違った。くそ、
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作者名：幸せうさぎ | 作成日時：2023年2月9日 0時
