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Aの話が、取り留めのない、話題になって。
脳みそがゆるりと思考を緩めていくような、常にある緊張感のようなものがほどかれていくような、そんな気がする。
と思っていたら、ふわ、と髪を撫で付けられた。
いつの間にか、殆どAの体に身を委ねてしまっていたらしい。
「なんか体勢苦しくなってきたぁ」と言われて、Aが少し座り直すものだから、ずるりと俺のからだがずれて結局Aの膝へと頭を下ろした。
面倒だからそのまま、起き上がることを諦める。
ホットミルクの入っていたコップは、テーブルへと置かれていた。
「ロー、頭、怪我したの？」
「あー、たしか」
「あんまり縫ってるとはげるぞー」
「……るせぇ」
ゆっくりと、規則的に、静かに頭をなでられると、なんとも言えず抵抗できなくて、瞬きの回数が増えていること気づいた。
「……ねみぃ、てめーが……つまらねぇ話をするせいだ」
「はは、ごめんごめん」
「んあー、論文、」
「読み聞かせよっか？」
「クソ迷惑……」
「だろうね」
「あ、睫毛とれそう、目つぶって」
俺の返事なんて少しも待たずに、Aの手が視界に近づいてくる。仕方なく目を瞑ってやると、Aの手が閉じた瞼の上に乗った。ぬくい。柔らかい、んー、
瞼に温度を感じると、途端にとんでもない眠気に襲われた。あー、やばい、
「……ねていいよ、ロー、」
「…………ん」
だめだ、返事を、手退けろって言えば、
「おやすみ」
暖かい、温もりのなかに身体が溶けていくような感覚。こんなにゆっくりと眠りについたのは、いついらい、だったっけ、ぜんぶなんでもいいか、
優しく頭を撫でられてる。それを確かに感じながら、意識を手放した。
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作者名：幸せうさぎ | 作成日時：2023年2月9日 0時
