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「…ばかだな、わたし」
誰にも大切にされたことなんてない。
産まれた意味すら感じない。
苦労して手に入れた唯一の称号も、今では世間に好奇の目で晒される面白可笑しいネタのひとつでしかない。
挙句の果てにはこんな異世界にやってきて、職業:海賊っていうどこの馬の骨かも分からない人のこと好きになって。叶うわけも無いのに。
文字通り、住む世界が違うのに。
エースに電話をかける勇気は無かった。今声を聞いたら、絶対に泣いてしまう。そう考えてみれば今日は彼が来ていなくて本当に良かったな、と思った。彼は優しいから、きっと酷く心配する。
色んなやるべき事をほっぽって駆けつけてくれるかもしれない。
彼は、何処の馬の骨かも分からない所かどんな世界で育ったかも分からない私みたいな他人のことすらも気に掛けてくれるような、懐の深い人間だから。
私とは、本当に大違いだ。
どこかの誰かがヒーローみたいに現れて、私を救ってくれるなんてことは無いんだ。あんなの夢物語だから。
会いたかった。迎えに来て欲しかった。
でも、会いたくなかった。迷惑はかけたくない。
頭の中がごちゃごちゃで、思考がまとまらない。
色んなことを考えて、色んなことを思い出す。
死にたい理由はこんなに沢山見つかるのに、
生きたい理由があまりにも無さすぎる。
突然。本当に突然、
なんだか全てがどうでもよくなった。
ふらりと岬の端に立てば、
真下の海が覗き見える。
さっきよりも日が沈んだせいだろうか、より海の色が濃く暗く、闇に染まっているように見えた。
黒にほど近いミッドナイトブルーが、私の心を攫うみたいに手招いているような気がして、この中に沈めば、あの綺麗で鮮やかなオレンジも、真っ暗に塗りつぶして忘れさせてくれる気がした。
＿＿＿＿もし、今、死んだのなら
元の世界にいる私の存在はどうなるんだろう。
そこに、死にたいという確かな欲望があったのかどうかは覚えてない。ただ、吸い込まれそうな闇に消え去りたいとは思っていた。
意志を持って崖から足を踏み出したのか、それともただバランスを崩してしまっただけの事故のようなものだったのかすら覚えていない。
朦朧としている意識の中、落下感を確かに感じた。
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あゆ(プロフ) - エースと恋に落ちる作品もう一作みたいです;; (2023年2月9日 15時) (
レス) @page38 id: d18f4b6c2a (このIDを非表示/違反報告)
幸せうさぎ(プロフ) - chiさん» コメントありがとうございます！なんとか完結まで持っていけて良かったです…！最後の更新に時間がかかったにも関わらず、見ていただきありがとうございました！！ (2023年2月9日 9時) (レス) id: b10acb6a2f (このIDを非表示/違反報告)
chi(プロフ) - なけた( ´:ω:` )おつかれさまでした (2023年2月6日 18時) (レス) @page37 id: 6cc6324467 (このIDを非表示/違反報告)
幸せうさぎ(プロフ) - ベルモットさん» ベルモットさん。眠り姫シリーズも読んでくださってるんですね…！嬉しいコメント本当にありがとうございます！ (2023年2月6日 18時) (レス) id: b10acb6a2f (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 眠り姫シリーズから読み始めました。引き続きこの夢小説に行きつきました。シリーズを通し一貫して雰囲気や伝えたいことが似ている部分もあって安心感があります。 (2023年1月30日 11時) (レス) id: 9942db35dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：幸せうさぎ | 作成日時：2023年1月28日 21時
