#21 Lavenderblush ページ22
その日の天気は珍しく来たその瞬間から曇りで、いつもの青い空を覆い隠してしまっていた。
空の色と同じように海も青ではなく、鈍くくすんでしまっている。
光を反射しないプルシャンブルーが風を受けて荒々しくうねっていた。
眺めているだけでも飲み込まれそうなそれは、皮肉にも私の心の中を表しているみたいで。
いつもは天気が悪くても気持ちよく感じる潮風すら、湿って鬱陶しいと思えた。
エースは、居ない。
今日は来ないのかな、とか。
それならまた電伝虫を使って連絡しなきゃ、とか。
色々考えつつ、動き出すことが出来なくて、この世界で目を覚ました時の体勢のまま、座って呆然と海を眺め続けた。
そこでふと、海ともうひとつ視界に入ったものに目を引かれたのだ。
そういえば、ここに初めて来た時も気になっていたけど、何となく話題に出さずにいたもの。
岬にぽつんと立っている誰かのお墓…っぽいもの。
多分お墓であっているとは思う。
木材を十字に組み合わせて立てられただけの簡素なそれが、一体だれのお墓なのか、私はまだエースに聞けずにいる。
なんでここに立てられているのだろう。
なんでエースは、ここに来ていたんだろう。
気になることは沢山あるけれど、墓というものは必ず誰かの死に直結してしまうものだから、
もしすごく悲しい過去とか、物凄く大切な人のお墓だったらと思うと、容易に話題に出すことは出来なかったのだ。
例えば、亡くなった恋人のお墓……とか？
無意識にそんな予想を立ててしまったのは、もうきっと、自分が引き返せないところまで彼のことを好いているという証拠に他ならなかった。
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あゆ(プロフ) - エースと恋に落ちる作品もう一作みたいです;; (2023年2月9日 15時) (
レス) @page38 id: d18f4b6c2a (このIDを非表示/違反報告)
幸せうさぎ(プロフ) - chiさん» コメントありがとうございます！なんとか完結まで持っていけて良かったです…！最後の更新に時間がかかったにも関わらず、見ていただきありがとうございました！！ (2023年2月9日 9時) (レス) id: b10acb6a2f (このIDを非表示/違反報告)
chi(プロフ) - なけた( ´:ω:` )おつかれさまでした (2023年2月6日 18時) (レス) @page37 id: 6cc6324467 (このIDを非表示/違反報告)
幸せうさぎ(プロフ) - ベルモットさん» ベルモットさん。眠り姫シリーズも読んでくださってるんですね…！嬉しいコメント本当にありがとうございます！ (2023年2月6日 18時) (レス) id: b10acb6a2f (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 眠り姫シリーズから読み始めました。引き続きこの夢小説に行きつきました。シリーズを通し一貫して雰囲気や伝えたいことが似ている部分もあって安心感があります。 (2023年1月30日 11時) (レス) id: 9942db35dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：幸せうさぎ | 作成日時：2023年1月28日 21時
