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「我々もう随分長いこと張ってるんですよ。ほんと少しでいいのでインタビューとか答えてくれませんかねぇ」
「………」
「俺達もアイドル如月Aのファンだったんですよ？舞台上からスキャンダルで消えた大人気アイドルの行方をファンは皆気にしていますよ？」
「………」
「じゃあせめてカメラに向かってひと言！」
何処かで撒かなければ。でもコイツらを連れたまま家になんか帰れない。人目の多い通りに出たら速攻で走って巻こう。そう決めた時
「無視だなんて酷いなぁ。現役時代はあんなに可愛くて愛想も良かったのに…」
「やっぱり、あの事件は少女の心に痛ましい傷を残した、ってことですかね。」
「未遂で終わったなんて、嘘なんですよね？どうなんですか？」
その言葉は、私の心を殺すのには、十分すぎる。
「うるさい！！私の目の前から今すぐ消えて！！」
大きな声、なんてものじゃない。それは叫びだったと思う。通りすがりの無関係の人達までなんだなんだと集まってきて。ちょっとした騒ぎになっている。
そんな中でも、溢れ出してしまった涙を止めることは出来なかった。
「あんた達に私の何がわかる！！！迷惑なんだよ！！一生私の前に現れるな！！！」
こうやって逆上して声を荒らげる事が奴らの思い通りだってことも理解している。けど、
私は大人になりきれなかった。
私に話しかけてきた人達は週刊誌の記者かフリーのカメラマンか…その辺だろう。このネタがどう世間に報じられるかなんて、考えれば最悪の想定は簡単に出来た。
最悪だ。本当に。
どうやって家に帰ったかは覚えていない。
何回か転んだ気もするけど、それくらい必至に足を動かして家へと転がり込んだんだと思う。
何も食べる気も起きなくて、眠るのも怖くて、何か耳にすることも目にするのも怖くて、スマホの電源は切れたまま床に放置して、
ずっとずっと、出窓の横にある一人がけソファの上に丸くなって、あの眠気が訪れるのを待っていた。
「エース、はやく、きて」
そうして何日経ったのかは分からない。
虚ろな意識の中、雨の降る音が聞こえて
酷く安心したのを覚えている。
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あゆ(プロフ) - エースと恋に落ちる作品もう一作みたいです;; (2023年2月9日 15時) (
レス) @page38 id: d18f4b6c2a (このIDを非表示/違反報告)
幸せうさぎ(プロフ) - chiさん» コメントありがとうございます！なんとか完結まで持っていけて良かったです…！最後の更新に時間がかかったにも関わらず、見ていただきありがとうございました！！ (2023年2月9日 9時) (レス) id: b10acb6a2f (このIDを非表示/違反報告)
chi(プロフ) - なけた( ´:ω:` )おつかれさまでした (2023年2月6日 18時) (レス) @page37 id: 6cc6324467 (このIDを非表示/違反報告)
幸せうさぎ(プロフ) - ベルモットさん» ベルモットさん。眠り姫シリーズも読んでくださってるんですね…！嬉しいコメント本当にありがとうございます！ (2023年2月6日 18時) (レス) id: b10acb6a2f (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 眠り姫シリーズから読み始めました。引き続きこの夢小説に行きつきました。シリーズを通し一貫して雰囲気や伝えたいことが似ている部分もあって安心感があります。 (2023年1月30日 11時) (レス) id: 9942db35dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：幸せうさぎ | 作成日時：2023年1月28日 21時
