【ONEPIECE】吸血鬼は死の外科医に拾われる【リメイク前版】 (ページ5)

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ああ、くそ、やらかした。
大抵の傷は私の能力で塞ぐ事が出来るけど。
この一瞬で失った血液は戻ってこない。

私にとって、血を失うということは
普通の人間の5倍のリスクがあると言っても過言では無いのだ。

外傷部を抑えて止血を試みるけど、そんな簡単に止まるならばこんなに焦ることも無いのだ。

どれくらい血を流した…？
普通の人間なら1.2Lの出血でも十分いつ死んでもおかしくない量だ。私なら……多分500mlでも失ったら意識は飛ぶ、そのまま止血出来なかったらお陀仏ってとこか。

結局、追いかけていた海賊にも逃げられてしまったし。深夜だからか周囲に人も居ない。例え誰か住人が通りかかってくれたとしても、血まみれで倒れる見ず知らずの人間を助けてくれる人なんか居ないだろう。

ああ、嫌だ。
死にたくなんてないーー。

手足の感覚が無くなって目が霞んできた。冷や汗が流れる。多分今、私の顔は真っ青だろう。

路地の壁に体を凭れ掛け、空を仰ぐ。
今日は満月だったっけ、なんて見上げてみたけらど、もう視界は既に暗くなっていた。

「…………だれ、か、おねがい」

広がる闇、空虚にむかって声を絞り出す。

「……血を、……吸わせて……」

ああ、もう本当に眠たい。
日が昇るまでに宿に戻らなきゃいけないのに。