【ONEPIECE】吸血鬼は死の外科医に拾われる【リメイク前版】 (ページ34)

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「……兎に角、私は貴方の仲間にも、ペットにもなりません。助けて頂いたお礼に、こんなことに巻き込んだら恩を仇で返すようなものですし。諦めてください。」

「……」

ふむ、と何か考えるような素振りを見せてローさんは黙った。

「まぁ仕方ねぇ。ペット(仲間)にするのは一旦保留でいいが、俺はテメェに興味がある。
それに、本当にこの国にJOKER(ヤツ)の手がかりがあるんだとしたら俺も見過ごす訳には行かねぇ

だから、とりあえず1度、この国での目的を達成する迄手を組むってのはどうだ。」

大層満足気な顔でそうローさんは提案した。
何度聴いても“仲間”が“ペット”にしか聞こえない事象は1度無視するとしても、

確かに彼の提案は、無下にすることも出来ない。

私に施された治療の正確さや丁寧さ、的確な判断と対処だけでも医者としての能力は証明されている。
それだけでも十分だが、多分彼は戦闘においても弱くは無いだろう。
深夜に裏町を1人で歩ける余裕がある。
この会話の間も、私の間合いを正確に詠まれていた。
その上更に能力者ときた。潜在能力は計り知れない。

目的の規模は無謀すぎるが、JOKERの事を知っていた点を考えるとあながち嘘でも無いだろう。この国にいる間だけでも手を貸して貰えれば、私が背負うリスクはかなり減る。

信頼もできないが、利用する価値は十分。
目的を共にした相手と手を組めるなら渡りに船、というやつだ。

「……手を組む、ね」

上手いこと言われたものだ。
その言われ方だと断る理由が無い。

「……わかりました。それなら受け入れます」

「良い判断だ」

ローさんはニヤリと不敵に笑った。