【ONEPIECE】吸血鬼は死の外科医に拾われる【リメイク前版】 (ページ25)

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ローと名乗ったその人は、どうやら私に血を与えてくれた恩人だった。

最低限の言葉数で事情は聞いてくるけれど、やっぱり此方への警戒はそう簡単に解かない。
自己紹介はしたものの、助けた恩を大袈裟に売るつもりも無さそうだし
しっかりと線引きされている
その淡白な態度は、逆に心地よかった。

1人で長い事旅をしてきた私にとっては、見返りのない無償の優しさの方が余っ程不気味だし恐ろしい。
馴れ合うと情が移るし、情は思考を鈍らせる。

判断力に優れていて、合理的且つ冷静な態度はかなり好感が持てる。
昨日追いかけていた野蛮な海賊連中とは随分と違うみたいだ。

「……まぁ、いいでしょう」

だから、きっと私の事情を話した所で、
中途半端な同情で首を突っ込んできたりはしないだろう。そう判断した。

これは、そんなに簡単に首を突っ込んでいい話じゃない。
それなりの決意、そして犠牲も厭わない覚悟が無ければ、おいそれと関わって無事で居られる案件では無いのだ。

「全てお話します。」