【ONEPIECE】吸血鬼は死の外科医に拾われる【リメイク前版】 (ページ14)

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「っひ！」

近くに人がいるなんて全く予想していなかったせいでついそんな声が出てしまった。
じっと此方を見ているその人は、若い男の人だった。鋭い目付き、眉間に皺を寄せて此方を睨んでいる顔はかなり怖くて、先程の驚きの声に続き
「ひぅ……」と恐怖からの声が漏れてしまった。

すっごい睨まれてる。

けど、状況を頭の中で整理して、何とか声を絞り出す。

「……あの、もしかして、助けてくれた……ですか？」

そう声をかけると、男はふぅ、と軽く息を吐いて
「まぁ、そうだな。助けた」と言った。
低い静かな声は、随分落ち着いている。かなり顔は怖いけれど、助けてくれたということは悪い人では無いのだろうか。

……まぁヤバい人や人攫いだったら私はこの時点で無事な訳ないだろう。大した出自でも無いただの女を騙す必要なんて無い。どうこうするつもりなら意識を失ってる間に自由を奪っておけば良いだけの話だ。

とにかく、まず私は言わなければならない事がある。

「……そうですか、えと……ありがとうございます。」

お礼は、人間として生きる上での最低限のマナーだ。