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「これ俺にくれんのか？？」
「うん、要らないかもしれないけど……」
「いんや！すげぇ嬉しい！そういやおれAに絵貰うの初めてだ！！」
確かにそうだったかも。初めて見せたメリー号の絵も欲しい欲しいと言ってくれていたけど、あれはゾロが「俺のだ」と言っていたのを覚えている。
「この帽子、俺の宝物なんだ。」
「……そういえば、そう言ってたね」
ルフィが麦わら帽子を物凄く大切にしているのは知ってる。前に「大切な人から預かっている」と言ってた。
「その人に、早く会えるといいねぇ」
「あぁ、いつか会えるさ！」
嬉しそうに自分の帽子と私の絵を見比べているルフィを見ながらルフィがそんなにも憧れるその人は、どんな人なんだろうなぁと思いを馳せる。
と、私の視線に気付いたのか、ルフィは私と自分の帽子を数度見比べた後、にこりと笑って、麦わら帽子を私にかぶせた。
「……えっ、」
「いやぁ、Aがじっと見てたから、俺の帽子がそんなにうやましいのかなぁとおもって！」
ちょっと貸してやるよ！特別な！
なんて、にししと笑う。
私はというと、かなり動揺していた。
「……や、あの、でも、だめだよルフィ、宝物なんでしょ？」
「ああ！！」
「私が触れたら、記録を見ちゃう。」
だからとって、と言うと、ルフィはやっぱりけらけらと笑いながら「なんでだァ？」と首を傾げるだけだ。
「大切なもの程、たくさんの記憶が宿るんだ。この帽子はずっとずっとルフィが大切にして来た物なんでしょう。私が勝手に見るのはだめだよ」
ルフィの思い出はルフィだけの物だ。本人の口から聞くならともかく、勝手に人の過去を暴いてしまうような私の能力は、あまり気持ちのいいものでは無いだろう、と
「あぁ、それ気にしてたからいつもAは人のモンに触る時いちいち確認とってたのか」
「……うん」
「いいぞ、見て」
「え……？え、でも、これルフィの宝物……なんじゃ……」
「ああ！でも、Aなら別にいい」
けろりと言う、ルフィのその言葉が、どれだけ重いか分からない程、私とルフィの間柄はもう浅くは無い。どれだけルフィがこの帽子を大切にしているのか、私はこの目で何度も見てきたのだから。
「……いいの？」
「だって、Aには俺の冒険譚を書いてもらなきゃいけねぇからな！」
にしし、とルフィが笑った。
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たなかなななか - 泣ける上に本当に最高な物語です。素敵なものに出会えました。 (2023年2月16日 13時) (
レス) @page49 id: 5ac32d6f52 (このIDを非表示/違反報告)
mai - 面白くて一気読みしてしまいました！泣ける〜( ´:ω:` )ゾロとの続き…気になりますw (2023年1月23日 0時) (レス) @page49 id: a1458c0d0c (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - 完結おめでとうございます。こんなに早くお話を書けるなんて凄すぎて私には考えられないです笑 麦わらの一味の良さも引き出されていて本当に素晴らしい作品でした。続編も楽しみにしておりますが、無理だけはされない様に。これからも応援しています。 (2023年1月21日 14時) (レス) @page49 id: 44f80a3c45 (このIDを非表示/違反報告)
幸せうさぎ(プロフ) - 翠さん» 翠さん。とっても嬉しいコメント、本当にありがとうございます！これからも色々書いていこうと思っているのでぜひ楽しんでいただけると嬉しいです！ (2023年1月19日 15時) (レス) id: b10acb6a2f (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - 続編おめでとうございます！前作から応援させて頂いておりました。本当に細かく作られていて大好きです！これからも応援しております。 (2023年1月18日 16時) (レス) @page16 id: e6bab70f8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：幸せうさぎ | 作成日時：2023年1月18日 13時
