第4話 ページ7
「Aー、インスタ開設したんやったら言えよ〜」
次の日、由伸はそう言いながらAの肩に手を回した。
「そーいちが言うてるんやと思った」
「あいつ何も言ってないで」
「まじ?」
やから自分で探してんで、とドヤ顔をする由伸にAは苦笑いを浮かべた。
「俺のことフォローしてや」
「ふぉろー?ってなに?」
「ん、俺のアカウント行って、そう。んで、そこの青いボタン押すんやで」
頬がくっつきそうな距離で由伸はAにスマホを見せる。
Aは言われた通り、青いボタンをタップした。するとズラッと他の選手のアカウントが表示される。
「何これ、いっぱいあるんやけど」
「これは宮城のやろ、んで、これはペーたのやつ」
「ふーん、とりあえず押してこ」
「うん、いいやん」
そうやってスマホを操作するAを由伸は後ろから抱きしめる。
「?」
Aはそんな由伸の行動に疑問を抱きながらも、されるがままになっていた。まるでテディベアになったような気分だった。
「由伸、Aと何しとんの」
「そーいち、」
Aが振り返れば、颯一郎が立っていた。そんな颯一郎を見て由伸はんふ、と笑う。
「スキンシップやん、スキンシップ」
「Aはスキンシップ苦手やねん、あんまベタベタせんといて」
「勝手に決めつけんといてあげてや」
2人ともにこやかに会話をしているはずなのに、なぜかバチバチと火花が散っているようにも見えた。それが少し怖くて、Aはそっと2人から距離をとる。そしてスッと部屋を出ていった。
「あ、逃げた」
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作者名:usa426 | 作成日時:2023年11月1日 23時